うらめしい絵―日本美術に見る怨恨の競演

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うらめしい絵―日本美術に見る怨恨の競演

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  • サイズ B6判/ページ数 256p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784416516676
  • NDC分類 721.02
  • Cコード C0071

出版社内容情報

恐ろしくも人を惹きつけてやまない画家達が描いた「うらみ」の世界。胸の奥に押し殺してきた様々な想いと秘められた物語をひもとく。「うらめしや?」の決まり文句とともに現れる幽霊。
思い詰めたような険しい表情の女性。
乱世のなかで非業の死を遂げた者たち。
このような負の感情を描いた絵に秘められた物語をひもとき、
画家たちが描いた恐ろしくも人を惹きつけてやまない
「うらみ」の世界を紹介します。

■目次
円山応挙《返魂香之図》 
月岡芳年《幽霊之図 うぶめ》
小林永濯《菅原道真天拝山祈?図》
上村松園《焔》
村上華岳《日高河清姫図》
鳥山石燕《大森彦七図》
甲斐庄楠音《畜生塚》
三代歌川広重《瞽女の幽霊》
鏑木清方《朧駕篭》
島成園《おんな(黒髪の誇り)》
葛飾北斎《百物語・さらやしき》
橘小夢《牡丹燈籠画譜》
揚州周延《東錦昼夜競 佐賀の怪猫》
伊藤若冲《付喪?図》

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円山応挙《返魂香之図》 
月岡芳年《幽霊之図 うぶめ》
小林永濯《菅原道真天拝山祈?図》
上村松園《焔》
村上華岳《日高河清姫図》
鳥山石燕《大森彦七図》
甲斐庄楠音《畜生塚》
三代歌川広重《瞽女の幽霊》
鏑木清方《朧駕篭》
島成園《おんな(黒髪の誇り)》
葛飾北斎《百物語・さらやしき》
橘小夢《牡丹燈籠画譜》
揚州周延《東錦昼夜競 佐賀の怪猫》
伊藤若冲《付喪?図》

田中 圭子[タナカ ケイコ]
著・文・その他

内容説明

「うらめしや~」の決まり文句とともに現れる幽霊。思い詰めたような険しい表情の女性。乱世のなかで非業の死を遂げた者たち。このような負の感情を描いた絵に秘められた物語をひもとき、画家たちが描いた恐ろしくも人を惹きつけてやまない「うらみ」の世界を紹介します。

目次

円山応挙“返魂香之図”―愛する者の死を受け入れられない現世の人の執着が出現させた幽霊
月岡芳年“幽霊之図うぶめ”―子供を抱くことができなかった女が強い愛着のあまりにこの世にさ迷い現われる
小林永濯“菅原道真天拝山祈祷図”―政争に敗れた菅原道真は身の潔白を天に訴え、現身のまま天神となる
上村松園“焔”―激しい嫉妬と執心を抑えきれない己れの浅ましさを嘆く六条御息所
村上華岳“日高河清姫図”―恋の妄執にとらわれた若い娘が見せる切なくも恐ろしい人間の本性
鳥山石燕“大森彦七図”―筋骨隆々の勇壮な武者が怨霊の化身に気づく緊迫の一瞬
甲斐庄楠音“畜生塚”―抗うことの出来ない過酷な運命に直面し悲歎に暮れる豊臣秀次の妻妾たち
三代歌川広重“瞽女の幽霊”―非道に殺された盲目の遊芸人の復讐譚
鏑木清方“朧駕籠”―夫婦心中で死に切れなかった夫の無事を願う若妻の愛慕ゆえの未練
島成園“おんな(黒髪の誇り)”―黒髪に込められた情念を解き放ち自我と性を誇示する美しくも怖ろしい「新しい女」〔ほか〕

著者等紹介

田中圭子[タナカケイコ]
学術博士。ロンドン大学SOAS大学院修了、立命館大学大学院博士課程を満期退学。クラーク日本美術文化研究センター、東京藝術大学大学美術館に学芸員として勤務。京都造形芸術大学専任講師を経て、東京都教育庁文化財調査担当学芸員、明治学院大学文学部非常勤講師。専門は近代日本美術史。日本美術における女性表象を研究する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

90
幽霊画だけでなく、生者を描いた作品にも恨みはある。描かれているモチーフや人物、画家の逸話を知ると絵に込められた「恨めしさ」が一層、鮮明に浮き上がってきそう。特に『菅原道真天拝山祈禱図』や『牡丹灯籠画譜』は昔の作品と思えない位、モダンで斬新だ。また、『焔』は能での様子も紹介しているためか、葵に見立てた小袖を打ち据える六条御息所の気持ちに、文楽人形のような『日高河清姫図』には叶わぬ恋と悟ってから裏切られた哀しみと怒りで蛇身と化す予兆を匂わせる清姫に心を重ねずにいられない。後、春画での幽霊画は興味深かったです。2018/12/21

やいっち

33
面白く、一晩で一気に読み切った。気になる絵が多く、パソコンで画像を確認したり、楽しんだ。  本書については、「【聞きたい。】田中圭子さん 『うらめしい絵 日本美術に見る怨恨の競演』 レビュー Book Bang -ブックバン-」が参考になる。  文中にあるように、「恨みを抱き、死んだ人を描く幽霊画のジャンルは、日本以外に類を見ないそうだ。「うらめしい」という言葉も翻訳しにくく、「嫉妬、復讐(ふくしゅう)、怒りなどいろいろな言葉で置き換えられるが、複雑な感情を一語で表す語がなかった」という」。 2018/09/26

ユウユウ

29
絵ひとつひとつはおどろおどろしいですが、解説はとてもわかりやすく、読みやすく、面白かったです。日本版『怖い絵』とも言えますか。シリーズ化されたら嬉しいな。2019/01/07

あーびん

26
日本の幽霊は「うらめしや~」と現れる。恐ろしくもどこか哀しいイメージが日本の幽霊や怨霊にはつきまとう。中野京子さんの『怖い絵』は西洋絵画だが、本書は日本画オンリーなので「うらめしい」絵のテーマ性が日本人独自の感性に起因していることがわかる。「サロメ」のオーブリー・ビアズリーの影響を受けた橘小夢「牡丹燈籠画譜」がお洒落で素敵。「能楽におけるうらみの表現」「うらめしい春画」などのインタビューも充実していて面白かった。2019/09/19

trazom

22
14の作品と物語からなる一冊だが、とても面白く、ためになる。何がいいか…①「恨み」や「うらめしい」という概念に関する歴史的な勉強になる。②絵画作品を、能、浄瑠璃、歌舞伎、謡曲、落語などの伝統芸能との関連の中で理解できる。③掲載される美術作品の画像は、最初のページに「顔のアップ」、その裏面に作品全体という構成になっていて、細部と全体の双方が楽しめる。④応挙、松園、北斎などの有名画家だけでなく、小林永濯、鳥山石燕、甲斐庄楠音、島成園、橘小夢、楊洲周延など、馴染みの薄い画家の作品に感激する。いい本だと思う。2018/11/30

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