タイポさんぽ―路上の文字観察

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  • サイズ B6判/ページ数 167p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784416212844
  • NDC分類 727.8
  • Cコード C3070

出版社内容情報

街角でみつけた人間味あふれる看板やなつかしいサイン,味のある描き文字のデザインを観察し,その成り立ちや造形について考察する。

商店街の老舗の看板,ローカルな商品のロゴ,手書きの注意書き,道路や壁の文字の痕跡……。
街を歩けばコンピュータのフォントにはない独特の手ざわりをもった文字たちがそこかしこに息づいている。
これら味わい深い文字たちの多くは,市井のデザイナーや人々がレタリングや手描きによって、生活のなかで生み出してきたものだ。
著者は既存のフォントで埋め尽くされゆく都市空間のなかで、力強くかがやくそれらの文字を同時代的な視点で再発見し,その豊かな可能性を現代へ橋渡しする。
掲載事例は日本各地で採取された文字コレクションから厳選。

まえがき、六字の名号、♪名古屋牛乳のんでるの、情念の味わいタイポ、ラッキーやハッピー、宇宙的表味文字、牧歌的ブランディング、制限から生まれる味わい、夢見がち微熱気味、Long live the Pe Young!、型式番号 VFN-901L、讃州写実派、侵食、テクノ江戸情緒、手堅さと大胆さ、トロ箱の質感、心配になるほどの幽玄さ、味な息づかい、POPな生存者、跳ねる子鹿とたたずむインベーダー、どさん子大地に立つ、広大な版図、呉越同舟と書いてミスマッチと読む、唐突な筆脈、やりすぎドラゴン、ウマイのコトよ、手描きの迫力、満員電車の急加速、ちくちくとにょろり、隠れ家への道標、時を越える絵馬、愛は細部に宿る、メソポタミア・コーヒー、垂直型鉱脈から、スクリプト明朝、少し不思議な待合室、一文字が謡い、踊る、神戸、さそわれてフラフラ、妖怪ではない、香り立つ焙煎看板、真剣白羽取り、看板は業態を表す、ジャパニーズ・ジョーク、山椒は小粒で、昭和モダンゴシック明朝、受け継がれるソウル、一字紋と未来感、スーパー・ハイテックな老舗感、リズムと意地、意外すぎるマリアージュ、芸術性と資料性、たまたまの含意、テクニカルにして愛嬌あり、完璧な足まわり、重さと軽さ、情熱的な筆はこび、アーバンな風景、ゆずれない想い、機会は逃さない、ウエスタン生まれテクノ育ち、視覚的ウソと視覚的正直、奇跡のフル・ライミング、国際結婚、由緒正しい崩しゴシック、改修か補修か、穿孔への執念、マスキング・サイコロジー、和田塚4号アヴァンギャルド、手間暇と語気、塵芥ミステリー、ネガティブか否か、ひょっとして……、定員にかける手間、怪しい筆脈、歯をむくいじられ役、二〇一〇年大賞受賞、君の瞳は忘れない、擬態文字、勝手に運命の出会い、波打つ味付け、レトロフューチャーな鶴紋、あの日無くしたカケラは何処へ、それとこれとは別問題、足切り、旅行スタンプ、技の百貨店、北欧くねり文字、クラウドの現場?、ミトコンドリア・イヴ、微調整の顕在化、錆びついたってアタシ、アコースティックな曲線美、毛糸屋さんの良心とプライド、フリッパー明朝、細けぇこたぁいいんだよ、日本人の太刀筋、アゲアゲ漢方薬、シートンの執念、板相を読む、いまさら「じ」というわけにもいかず……、貝だらけ、サマーディの境地、目で触る、上質で贅沢な歯形、他所様のシマにて、理想の花壇、味わいと素っ気なさ、鋼板行書、まちかど視力検査、ロイヤル・エレクトリカ、いじられ界の真打ち登場、味わいタイポ新時代、ビトゥイーン・ザ・シーツ、サブリミナル・ダンディズム、データ圧縮率五〇パーセント、剣舞の如し、凄みのある可愛らしさ、さわやかに素材疲労、光と重力、平行宇宙階段、声なき絶叫、そしてKだけが残った、あとがき

【著者紹介】
1973年北海道生まれ。グラフィックデザイナー。日本工学院専門学校デザイン科卒業後、デザインチーム”Nendo Graphixxx”やインディーズTシャツブランド展開などアンダーグラウンド活動を続けながら、デザインプロダクションSPICE Inc.に勤務。1995年、富士通株式会社による日本初のウェブマガジン『teleparc』プロジェクトにデザイナーとして参加。その後ミュージックチャンネル 『MTV Japan』でのアートディレクター、デザイナーなどの職を経て、2003年からフリーランス。

内容説明

見上げれば、粋な文字。全国の街で出会った、昭和生まれのナイス・タイポグラフィ精選。

目次

六字の名号
名古屋牛乳のんでるの
情念の味わいタイポ
ラッキーやハッピー
宇宙的表味文字
牧歌的ブランディング
制限から生まれる味わい
夢見がち微熱気味
Long live the Pe Young!
型式番号VFN‐901L〔ほか〕

著者等紹介

藤本健太郎[フジモトケンタロウ]
1973年北海道生まれ。グラフィックデザイナー。日本工学院専門学校デザイン科卒業後、デザインチーム“Nendo Graphixxx”やインディーズTシャツブランド展開などのアンダーグラウンド活動を続けながら、デザインプロダクションSPICE Inc.に勤務。1995年、富士通株式会社による日本初のウェブマガジン『teleparc』プロジェクトにデザイナーとして参加。その後ミュージックチャンネル『MTV Japan』でのアートディレクター、デザイナーなどの職を経て、2003年からフリーランス(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

68
フォントと何が違うのか。看板にみられる昭和テイストの手作り文字がこんなに個性的だとは。まさに生きていると言いたくなる。路上観察の一分野として、よくぞここまで集めてくれたと思える、見るだけで楽しくなる看板の数々。著者の趣旨どおり、固定化して多用されすぎたフォントの世界に、新しさや自由さをもたらすヒントになるだろう。出発点が「VOW」なのはさもありなん。看板文字に対して、細部にまで徹底した芸術論的コメントが、うなずけるし、また笑える。全国を網羅しているわけではないので、身近なところにも発見の余地がありそうだ。2021/01/22

nemuro

56
「2012年8月31日発行」。どうやら3度購入の本書。1冊目(2013年5月)と3冊目(2016年6月、改版)を「札幌弘栄堂書店パセオ西店」(2022年9月30日閉店)、2冊目(2013年9月)を「FUTABA⁺ 京都マルイ店」(2017年1月31日閉店)にて購入。「京都マルイ」6階、雰囲気も配列も独特で唯一無二。購入後に隣の「スタバ京都マルイ店」で眼下の京都市内を眺めながらの読書・珈琲は至福だった。さて本書。グラフィックデザイナーである著者の路上観察的好奇心を結実。そうか、こう見ると街歩きが更に楽しい。2023/04/22

羊の国のひつじ

14
日本のレトロなフォントが並ぶなんとも粋な本。文字を作った人の意図を汲み取りながら、街並みを眺めると普段とは別の風景に見えてくるものですね。本物の毛糸が飾られている毛糸屋さんの看板には作者の本気•気合が感じられた。間近で見てみたいもんだなぁ。2016/02/28

kei-zu

11
緊急事態宣言の折、用もなく街を歩くこともためらわれる。だから、本書を開くのだ。 本書は、街中で見つけた味わい看板文字を紹介する。既存のフォントによらない、一品ものの文字がずらりと並ぶ。中には、以前見かけたことがある看板も。 「クリーニング屋の看板は逸品が多い」なんて、なるほどですd(^_^o) ああ、知らない街の散歩がしたい。2021/02/06

tomosaku

7
ワシはフォントが好きだが、タイポグラフィも好き。この一点ものの看板に込められた、カッティングシートを操る看板職人たち(たぶん)の丁寧な仕事に感服する。著者の細かい解説が看板の味を深める。後「いじられ文字」という概念を知った。2016/02/24

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