そして恐竜は鳥になった―最新研究で迫る進化の謎

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 143p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784416113653
  • NDC分類 457.87
  • Cコード C0045

出版社内容情報

鳥類への進化の系譜に絞った恐竜研究ノンフィクション。最新の研究でわかった進化の謎を豊富な図版とわかりやすい解説で解き明かす。

恐竜学の最新知見満載
鳥になっていく進化の道筋が明らかに

新しい発見が相次いでいる恐竜研究。なかでも鳥類への進化については、「食性」「脳」「羽毛」をキーワードに、研究が進んでいます。本書も、この3つを手がかりに、恐竜がどうやって鳥になっていったかを、研究者の思考回路を交えながらわかりやすく解説。CTスキャンでわかった脳の変化、胃石からわかるエサの変化、羽の痕跡からの推理など、研究者たちが、化石や骨を目の前に、どのように謎を解き明かしているのか、その研究手法も面白く紹介しています。
解説するのは、恐竜学で今最も人気のある気鋭の研究者、北海道大学総合博物館の小林快次先生。最前線で活躍する小林先生ならではの、恐竜研究エピソードも必見です! 写真やリアルイラストレーションを多用し、見て楽しいページも多く、また、難しい漢字にはルビをふっているので、恐竜好きな小学校高学年の児童でも読みこなせます。

プロローグ 鳥の恐竜起源説

1章 食べ物の変化
・「恐竜」って何者?/「歯」は口ほどにものを言う/・最初の恐竜は肉食だった?/・「獣脚類」という恐竜たち/・肉食? 実は植物食/・胃の中の石が果たした役割/・いろいろな恐竜がもつ、いろいろな胃石/・胃石がないと……太る?/・完璧な標本。……なのに胃石がない

2章 子育ての変化
・“子育て”をする動物たち/・恐竜の卵の化石/・集団営巣地が意味するもの(マイアサウラ)/・「泥棒」ではなく「抱卵」(オヴィラプトル)/・恐竜の子育ては雄がする?(トロオドン)/・卵の形の変化が意味することは(トロオドン)

3章 翼の変化
・続々発見される恐竜の羽毛/・わからなくなった羽毛の役割/・羽毛と羽根、そして翼/・翼の起源として考えられる4つの仮説/・ここでも鍵を握るオルニトミムス/・翼の役割は求愛のためだった/・飛翔のはじまりとみられる3つの仮説

4章 鳥の誕生
・空を飛ぶ、ほかの動物たち/・そもそも「鳥」ってなんだ?/・最初の鳥、「始祖鳥」の特徴/・肩の変化。指の変化/・ティラノサウルス類以降、植物食になるものが増えた?/・ちょっと注意。進化は必ずしも年代順では語れない/・鳥は“強者の進化”か“弱者の進化”か/・鳥が大量絶滅を生き抜いた理由とは?

エピローグ これからの恐竜・鳥研究

コラム・「古生物学」と「考古学」のちがい/・学名のつけ方/・研究者はどうやって、恐竜化石をみつけているのか?/・「植物食」と「草食」のちがい/・始祖鳥は黒色だった!?/・恐竜研究者になるには/・日本の恐竜時代の地層

【著者紹介】
小林 快次(監修):1971年生まれ。北海道大学総合博物館准教授。日本だけでなく、北米でも有名な恐竜学博士。オルニトミムスの世界的権威。世界中をフィールドワークしながら第一線で研究を続けている。NHKの恐竜番組でもおなじみ。著者、監修本も多数。

内容説明

本書では最先端の恐竜研究において行われている細分化された議論や、一見関連性の無いような研究を集め、恐竜がいかに鳥類へと進化していったのか、恐竜が陸上を捨てて空へと生活圏を広げるまでの過程をわかりやすく説明している。

目次

第1章 食べ物の変化(恐竜って何者?;「歯」は口ほどにものを言う ほか)
第2章 子育ての変化(子育てをする動物たち;恐竜の卵の化石 ほか)
第3章 翼の変化(続々と発見される羽毛恐竜;わからなくなった羽毛の役割 ほか)
第4章 鳥の誕生(「飛翔の始まり」の三つの仮説;空を飛ぶ、他の動物たち ほか)

著者等紹介

小林快次[コバヤシヨシツグ]
1971年福井県生まれ、ワイオミング大学地質学地球物理学科卒業。サザンメソジスト大学地球科学科で博士号取得。現在、北海道大学総合博物館准教授。大阪大学総合学術博物館招聘准教授。獣脚類のオルニトミムス類を中心に、恐竜類の分類や生理・生態の研究をしている。主なフィールドは、モンゴル、アラスカ、中国、カナダ、アメリカ

土屋健[ツチヤケン]
オフィスジオパレオント代表・サイエンスライター。金沢大学大学院自然科学研究科で修士(理学)を取得。その後、科学雑誌の記者・編集者を経て現職。地球科学全般、とくに地質学・古生物学の啓蒙普及を中心に活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

270
恐竜観には世代差があるらしい。今では「鳥の恐竜起源説」は常識であるらしいのだが、1996年に恐竜に興味を持っていたかどうかでそこが大きく違うそうだ。1970年代くらいから恐竜研究も急速に進み、かくして世代差が生まれてきたらしい。空を飛ぶ鳥を見て「あ!恐竜だ」と思う世代と、動物園のワニを見て「恐竜の親戚だ」と思う世代と。古い世代の思い描く恐竜はトカゲみたいだが、今の恐竜の絵は羽毛が生えていて、たしかに見るからに鳥に近い。本書は、そうした「鳥の恐竜起源説」を豊富な図解入りで懇切丁寧に解き明かしてくれる。2024/10/13

ばりぼー

41
恐竜の定義とは「トリケラトプスと鳥類の最も近い祖先から生まれたすべて」、つまり、定義自体に「鳥類は恐竜である」ということが組み込まれている。恐竜から鳥への進化を考えるとき、左右非対称の風切り羽でできた翼を、なぜ獲得したかが問題となる。仮説として①現在の鳥類と同じく、まさに飛行のため、②獲物を捕らえる際の武器として、③走行時のバランスをとるため、④異性にアピールするディスプレイや抱卵などの繁殖行動のための4つが考えられるが、一つ一つ検証していくと、どうやら求愛のためと考えるのが妥当なようである。2017/01/19

たまきら

39
監修は小林先生。土屋さんの構成が見事でとても分かりやすいです。基礎から始まり、「鳥」との関係をていねいに証明していく流れです。特に翼の進化において飛翔だけでなく抱卵も重要な要素だったのではないか、という学説にはハッとさせられました。始祖鳥の羽根から黒色のメラソノームが確認されたという研究も面白く、インコのように色鮮やかなオヴィラプトルの復元をはじめ華やかなイラストも楽しめる一冊です。2024/12/11

syota

34
読友の方の推薦本。私が子供の頃、図鑑の恐竜はゴジラのように尻尾を引きずりながらノシノシと歩いていた。なので、「ジュラシック・パーク」に登場する、上半身を前傾させ尻尾を浮かせて疾走する恐竜の姿は衝撃的だった。そして今、恐竜から鳥への進化の過程が明らかになりつつある。いやはや、ぼーっとしているとどんどん世の中から取り残されてしまう。なにせ今、恐竜の定義とは「トリケラトプスと鳥類の最も近い祖先(共通祖先)から生まれたすべて」なのだそうだ。スズメもカラスも分類上は恐竜!恐竜は今でも、地球の空の支配者なのだ。2024/10/22

トムトム

31
子供の頃に恐竜が好きで、しばらく離れていて、久しぶりに恐竜の図鑑を見てみたら何が何だか分からない!という方におすすめです。何の発見でどの定説が変わったのか、分かりやすく書かれています。羽毛恐竜やカラフルな恐竜に混乱気味な大人さん、是非どうぞ♪2020/07/27

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/6877977
  • ご注意事項

最近チェックした商品