内容説明
思いがけず国内タイトル戦が決まった徹は、野次馬的マスコミや試合を金蔓にするプロモーターを眼のあたりにしてボクシングを愛する純真な心を困惑させる。しかしライバルの東はその先の世界にいて…。一方、徹を愛するあまりボクシングに否定的だった恋人の加藤にも変化が…。待望の好評シリーズ第6弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rabbit
14
シリーズ6作目、徹のタイトルマッチ戦が決定。多額の興業収入を狙うためにスポンサーやコミッショナーから徹を売り出す為のシナリオが勝手に作られ、憤りを隠せないジムメンバーたちが、純粋にボクシングをして戦いたい徹の願いを叶うべく奮起する。加藤だけでなく、ジムメンバーも本当に魅力的でした。2019/02/23
リリー
11
いよいよ徹の国内タイトル戦!よくぞここまできたなぁ。受が皆から愛される作品ってどこか嘘くさいというか、乙女の願望だだ漏れって感じで居たたまれなくなることが多いのですが、本作は徹の素朴な純粋さのせいか違和感ゼロ。次はいよいよ最終巻です☆2015/07/04
beniko
10
シリーズ⑥。加藤は医者として、徹はボクサーとして、ますます力をつけ成長する二人。魅力ある二人にそれぞれ、様々な思惑のある人たちが群がってくる。特に徹はマスコミも一目置く存在になり、お金のために汚いやり方をする奴らに怒りが。徹が世の中の綺麗じゃない部分を知り、それでも純粋さを失わないことが素晴らしい。泥中に咲く蓮の花のようだ。苦難を乗り越え人間的に大きくなった東も感慨深い。周囲の人のそれぞれの想いやドラマ、変化も含めて素晴らしいシリーズを読めることに感謝。著者のあとがきに泣けた。真剣勝負の作品たちですね。2018/05/15
椿
10
再読。ドクター×ボクサーシリーズ6作目。徹が、いよいよタイトルマッチへ挑戦。メディアの注目度も大きくなるし、お金も動くので周りが五月蝿い。無茶なことばかりしていて子供っぽかった東が、節制して風格を感じさせる男に成長していて嬉しい。試合後、皆で逃げるところは楽しかったよ。それにしても、徹の家族の縁は薄いのね〜兄は何してるのかな。2015/06/03
IENEKO
10
貸借本。「試合」ではなく「興行」と称されること自体に、金銭絡みの暗部があることを感じさせる。本来、強ければそれでいいだけのはずの格闘技にその側面が多い気がする。徹が直面した闇から彼を守ったのはライバル・東。その一方マスコミという怪物は、視聴率アップの話題作りのためならどんなことも貪欲にむさぼる。そこから徹を守ったのは加藤とジムの仲間たち。読んでいて厭な気分とスカッと爽快感を次々に味わえる。いつの間にか増山さんの尻に敷かれている藤村に和む。弁護士、雅は話題に出てきただけでも不愉快な女性でした。2012/05/31