内容説明
浪曲の名調子で、あるいは講談、映画や大衆小説で、ご存じ清水の次郎長と清水一家の面々の物語は誰でも知っている。他の博徒、侠客にはない次郎長の持つ一種の明るさ、闊達さによって「やくざ・博徒」のマイナスイメージを超え、人気・知名度とともにナンバーワンの侠客として庶民の心に生きてきた。伝説とフィクションに彩られて、その素顔は意外に明らかではないが、本書はその人気の秘密を探りつつ、清水港の暴れん坊から貧乏博徒に、そして海道一の大親分にと、幕末、維新の激動の時代を越え、新しい時代に適応しながら、数々の修羅場をくぐり抜けて生きた1人の侠客の足跡と生涯を追った。
目次
次郎長誕生
梅檀は双葉より
養父逝く
巴川の闇討ち
博徒への道
初旅
剣の修行
清水港に戻る
次郎長売り出す
裸道中
初代お蝶
お蝶逝く
久六討ち
石松代参
源八の3兄弟
河豚騒動
追分の血煙
菊川の手打ち
勝蔵襲撃
血煙荒神山
伊勢古市へ
道中探索方
勝蔵斬首
次郎長逝く
清水次郎長年表