内容説明
「死にたい」「このような人生を生きる価値などない」「お母さんに会いたい」「なぜ、お母さんは私を迎えに来てくれないの」「介護に疲れた」「助けて欲しい」―このようなクライエントの問いかけにどうするか。社会福祉実践における「現場」の力とは何か。「現場」の可能性、魅力とは何か。本書は社会福祉現場がもつさまざまな力(実践力・強さ・魅力・可能性)の本態、構造に迫り、「現場」のあるべき姿や可能性を論じる。
目次
葛藤・矛盾からの出発
ソーシャルワークの経験
虚々実々のなかの育ちあい―現場の力
「対話」の力と社会福祉実践―ことばを相互に紡ぐことの臨床的意味
かかわりを継続する力―保健所という現場から
自己決定を尊重する現場の力
老いとケアの現場の構造分析
中村明美二十歳(仮名)/自殺
「切り拓く現場・切り裂かれる現場」―死を看取るということ
社会福祉実習教育における現場の力―「普通」「常識」を問い返す磁場と学生の変容
「変幻自在なシンフォニー・共同体という現場の共同体験」―出会い、変幻自在さ、創造性、そして信じる力
現場の力―生活の場において気づく援助のあり方とその気づきを得て変化する関係
現場からソーシャルワークを考える
現場の力―「ゆらぐことのできる力」と「ゆらがない力」
著者等紹介
尾崎新[オザキアラタ]
1948年生まれ。1970年上智大学文学部社会福祉学科卒業。1993年東京大学・博士(保健学)。精神神経科・秋川病院、東京都精神医学総合研究所、日本社会事業大学などを経て、現在、立教大学コミュニティ福祉学部・教授。「社会福祉援助技術総論」「福祉臨床原論」などを担当
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