内容説明
社会福祉基礎構造改革は、わが国の社会福祉の根幹に関わる大改革である。本書では、基礎構造改革についてのいわゆる「検討会報告」「中間まとめ」にもとづいて、さまざまな論点を整理・集大成しながら、著者独自の斬新なヴィジョンを提示した注目の書である。さらに、オンブズマン制度、児童福祉法大改正、民生委員・児童委員制度などについても示唆に富んだ議論が展開されている。なお、巻末に関係審議会等報告書や関連資料が収録されており、さまざまに活用することができる。
目次
プロローグ 供給者本位から利用者本位へ―社会福祉供給システムのパラダイム転換
第1章 社会福祉改革の現在―戦後福祉改革から基礎構造改革まで
第2章 基礎構造改革の論点―社会福祉事業等の在り方に関する検討会報告
第3章 児童福祉改革の展開―措置から選択的利用へ
第4章 社会福祉改革と民生委員・児童委員―地域福祉の先端を担う
第5章 オンブズマン制度の意義と機能―東京都中野区、そして川崎市
第6章 基礎構造改革の意義と課題―中社審社会福祉構造改革分科会中間報告
エピローグ 社会福祉二十一世紀への展望
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう。
12
1997年からの社会福祉基礎構造改革について、その内容を深めつつ、課題と展望を著者なりに示した本だと思います。戦後の社会福祉の歴史からみて、基礎構造改革はどのような意味をもつのかも考察されていました。著者は、基礎構造改革についてその賛否は慎重です。それは、この本が1998年出版で基礎構造改革が示されて翌年という事情があるからかもしれません。しかし、部分的に営利組織の参入は容認されざるを得ないと述べているなど、基礎構造改革の流れは時代的に受け入れざるを得ないというスタンスなのかなとも思いました。2016/06/26