内容説明
社会福祉学は、人間と社会の根幹に関わる「生活支援」という一点において、関連する諸科学の知識と技術を一体化して適用する総合と複合の科学である。本書は、その社会福祉学の全体像を理論的・体系的に、しかも分かりやすく論じている。全体にわたって綿密な改訂が施された「第2版」では、総合科学・複合科学としての社会福祉学の基本的性格が一層精確に浮き彫りにされている。
目次
総合と複合の科学としての社会福祉学
社会福祉研究の課題
社会福祉の展開と理念
社会福祉の基本的性格
社会福祉のシステム構成と機能
社会福祉の対象
社会福祉の政策と制度
社会福祉の運営(運営の原理と組織;事業の実施と利用)
社会福祉援助の提供
社会福祉援助の展開
社会福祉の情報・職員・財政
社会福祉学の視点と方法
著者等紹介
古川孝順[フルカワコウジュン]
1942年佐賀市に生まれる。1964年日本社会事業大学社会福祉学部卒業。1966年東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現職、東洋大学大学院社会学研究科委員長・教授。社会福祉学博士
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感想・レビュー
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ゆう。
28
2005年第2版。現在、社会福祉士の国家試験において、社会福祉原論という科目はなくなり、現代社会と福祉という名で原論や歴史、理論などがごちゃまぜになっている状況があります。この本は著者なりの社会福祉の全体像を示し、理念や理論を整理しようとしたものだと思います。著者は結果として「総合と複合の科学としての社会福祉学」を構築したと言ってはいますが、個人的には網羅的であり、学としての柱が見えにくい印象を受けました。しかし、そもそも社会福祉とは何なのかを問うことが少なくなった今日、重要性がある本だと思いました。2018/04/23