感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひつまぶし
2
なるほど、これがフロイト左派か。無意識の存在は前提としているものの、精神分析の解釈の根拠の部分をほとんど挿げ替えてしまっている。治療が患者自身の認知の変容を実現することで成り立つものなら、分析者が導き手であっても、その過程は患者自身の気づきと解釈で出来上がっている。そう考えれば、ある程度自己分析が可能であることは納得できる。しかし、根拠の部分を切り離してしまっては、精神分析の社会性は無くなってしまう。そして、ホーナイは分析者との関係なしに自己分析を行なう可能性も排除していない。フロイトとは根本的に異なる。2023/09/05
doji
2
診断に通うほど重症でもなく、それでも生活に支障をきたす神経症的な性格、それをなによりじぶんのちからで治せるんだという、カレン・ホーナイの力強いことばに胸を打たれた。フェミニズムが生まれつつある中でこの思想があったのだろうけれど、なによりそのひと本来の姿を取り戻すべきだという強い姿勢がよい。2017/01/20
モック
2
タイトル通り精神分析を自己分析にあてようと試みている。事例などもありフロイトとは違いとても現実的。そのためか自己分析の素晴らしさよりも限界や完全ではないということに焦点を当てている。2012/05/02