出版社内容情報
現代精神分析の主要テーマである関係性を巡る諸概念について、米国での最先端の知見をもとに実践する著者が縦横に論じた意欲的著作現代精神分析のまなざしは、一つのこころから二つのこころの織り成す関係性の場に焦点を移しつつあり、関係性を巡る諸概念について学派を超えた活発な議論が繰り広げられている。本書は、関係論、対象概念、間主観性理論、中立性など多岐にわたるテーマについて、精神分析の基本的前提に立ち戻りつつ、新たに検討を加えるものである。米国の最先端の精神分析を吸収し、日本で実践を続ける著者が縦横に論じる意欲的著作。
はじめに
第1章 関係論を理解する
関係論とは何か?
二つの関係論
関係論と米国精神分析
現代精神分析としての関係論
関係論、関係性理論、関係精神分析
内的関係性、外的関係性
対象関係論、間主観性理論、対人関係的精神分析の比較
第2章 サリヴァン、対人関係論、対人関係的精神分析
「人のあいだ」論としての対人関係論
精神科医サリヴァン
ニューヨークの精神分析インスティテュート
対人関係論の反動性
サリヴァンと現代の精神分析
おわりに
第3章 関係性理論は心理療法の実践をいかに変えるか――古典的自我心理学と比較して
関係論と臨床実践
自由連想法について
解釈について
転移を巡る抵抗について
構築主義的な対話について
結びに代えて:心理療法理論・実践の正しさについて
第4章 精神分析における対象概念についての一考察 ――その臨床的可能性
対象・対象関係とは何か?
対象とは何か:フロイトの思考を辿る
対象概念の分類:内在化のヒエラルキー
臨床的含意
対象概念の多重化
第5章 精神分析における時間性についての存在論的考察
精神分析と時間性
精神分析における時間性の存在的な理解
精神分析におけるもう一つの時間性:存在的時間性から存在論的時間性へ
精神分析における存在論的時間論のさらなる射程
おわりに
第6章 関係性と中立性――治療者の立つ所という問題をめぐって
関係性と中立性
事 例
考 察
第7章 行き詰まりと関係性――解釈への抵抗について
抵抗、エナクトメント
事 例
考 察
おわりに
第8章 分析家の意図と分析プロセス
分析状況と分析家の意図
臨床素材
考 察
おわりに
第9章 多元的夢分析の方法に向けて
無意識への「王道」から「常道」へ
夢分析における多元主義
プロセスとしての夢
夢恐怖症
多元的夢分析の技法
解離としての夢
夢の循環再エナクトメントと逆転移
ビオンの夢理論
臨床例
おわりに
あとがき
人名索引
事項索引
吾妻 壮[アガツマ ソウ]
神戸女学院大学人間科学部教授、精神科医、精神分析家、臨床心理士
内容説明
現代精神分析のまなざしは、一つのこころから二つのこころの織り成す関係性の場に焦点を移しつつあり、関係性を巡る諸概念について学派を超えた活発な議論が繰り広げられている。本書は、関係論、対象概念、間主観性理論、中立性など多岐にわたるテーマについて、精神分析の基本的前提に立ち戻りつつ、新たに検討を加えるものである。米国の最先端の精神分析を吸収し、日本で実践を続ける著者が縦横に論じる意欲的著作。
目次
第1章 関係論を理解する
第2章 サリヴァン、対人関係論、対人関係的精神分析
第3章 関係性理論は心理療法の実践をいかに変えるか―古典的自我心理学と比較して
第4章 精神分析における対象概念についての一考察―その臨床的可能性
第5章 精神分析における時間性についての存在論的考察
第6章 関係性と中立性―治療者の立つ所という問題をめぐって
第7章 行き詰まりと関係性―解釈への抵抗について
第8章 分析家の意図と分析プロセス
第9章 多元的夢分析の方法に向けて
著者等紹介
吾妻壮[アガツマソウ]
1994年東京大学文学部卒業。1998年大阪大学医学部卒業。2000年渡米。アルバート・アインシュタイン医科大学精神科、コロンビア大学精神分析センター、ウィリアム・アランソン・ホワイト研究所を経て、2009年帰国。大阪大学精神医学教室を経て、神戸女学院大学人間科学部教授、精神分析プラクティス(西宮市)。精神科医、精神分析家、臨床心理士、医学博士。国際精神分析協会(IPA)正会員、米国精神分析協会(APsaA)正会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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