心理療法家の人類学―こころの専門家はいかにして作られるのか

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心理療法家の人類学―こころの専門家はいかにして作られるのか

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  • サイズ A5判/ページ数 384p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784414414691
  • NDC分類 146.8
  • Cコード C3011

出版社内容情報

訓練機関の人類学的フィールドワークを通じて、「心理療法家になること」がもつ「人間としての変容」という側面を明らかにする「心理療法家とは何者か?」「心理療法家になるとはどういうことなのか?」本書はこの問いに対して人類学的に答えようとする。人類学者であり、心理療法家でもある著者は、訓練機関の本格的フィールドワークを行い、心理療法家に人類学の光を当てることを試みた。すると見えてきたのは、心理療法の「神話」が内面の奥深いところにまで浸透していくプロセスである。「心理療法家になる」とは、人間としての「変容」を含んでいるのである。従来とは異なる視点から心理療法家を読み解く本書は、こころの専門家になろうとしている人、こころの専門家を指導する人に、新しい心理療法像をもたらすだろう。加えて、本書では心理療法の人類学や社会学のこれまでの研究が広くレビューされており、絶好の入門書にもなる。

謝 辞



イントロダクション

 専門職的社会化の人類学  専門職的社会化の人類学的エスノグラフィー  ピエール・ブルデューについて――彼の理論とはいかなるものか  心理療法を研究するうえでのブルデュー理論の限界  心理療法の訓練生に自己決定は可能か  本書の意義  精神分析的/力動的心理療法について  本書の対象  フィールドワークとその方法論  名前の取り扱いについて 



第1章 精神分析的心理療法の興隆と没落

 心理療法の普及  英国における心理療法の誕生と普及  第二次世界大戦後の拡大  中心と周縁――心理療法の訓練の拡大  系譜的構造  精神分析インスティテュートについて――典型として  UKCP vs BPC  正統性を得るための通時的・共時的アピール  系譜的構造の分節パターン  力動学派に対する脅威  精神医学による承認の撤回  第1章の結論 



第2章 心理療法で起こること

 事前訓練セラピー  心理療法における癒やしの人類学的研究  心理療法の場で起こること  治療の枠  時間の境界  空間の境界  関係の境界  治療関係における境界と逆転移  心理療法の場は儀礼的か? 



第3章 心理療法的想像力――反転とアイロニー

 心理療法における三つのアイロニックな反転  主体のアイロニー  苦悩のアイロニー  心理療法的想像力  第2章および第3章のまとめ 



第4章 セミナーで起こること――精神分析的知識の伝達

 セミナー  知の伝達  テキスト――輪郭のある実体  利益の共有  セミナーにおける言語  第4章のまとめ 



第5章 疑念のマネジメント

 疑念を扱う方略  異議申し立ての事例  事例その1  事例その2  事例その3  各事例に共通するテーマ  病理とみなされることへの異議  第4章および第5章のまとめ 



第6章 スーパーヴィジョンで起こること

 病因の力動的理解の起源  精神分析的な病因論の発展  一般的な病因論  アーリヤのケース――臨床セミナーにおける病因論  アーリヤが心理療法を受け始めたのはなぜか  スーパーヴィジョンその1  スーパーヴィジョンその1での参加者のコメント  短い考察  スーパーヴィジョンその2  セミナーでの議論  短い考察  スーパーヴィジョンその3  セミナーでの議論  短い考察と結論 



第7章 精神分析の病因論と訓練生の感じやすさ

 病因論の分類  人類学的・民族医学的研究  病因論の分類  精神分析的な病因論  診断と確信  訓練の段階と感じやすさ  評価される不安と恐怖  心理療法のストレスから生じる従順さ  習熟することの魅力と高揚感  「直面化」の技術あるいは装置  第6章および第7章のまとめ 

第8章 心理療法家の変容

 神話的世界  倫理  政治性  共同体とアイデンティティ  デュルケム、マルクス、そしてエヴァンズ=プリチャード  精神分析共同体における同一化と分化  ある心理療法家の人生  個人的伝記  マイケルの専門職としての軌跡を分析する  変容とは何か  変容のための条件  心理療法の魅力とは何か  社会学的理論の統合  第8章のまとめ 



第9章 結 論



原 注

アンソロポロジー・オブ・XXX――監訳者あとがき

邦訳文献

文 献


ジェイムス・デイビス[デイビス ジェイムス]
著・文・その他

東畑 開人[トウハタ カイト]
監修

中藤 信哉[ナカフジ シンヤ]
翻訳

小原 美樹[オハラ ミキ]
翻訳

目次

第1章 精神分析的心理療法の興隆と没落
第2章 心理療法で起こること
第3章 心理療法的想像力―反転とアイロニー
第4章 セミナーで起こること―精神分析的知識の伝達
第5章 疑念のマネジメント
第6章 スーパーヴィジョンで起こること
第7章 精神分析の病因論と訓練生の感じやすさ
第8章 心理療法家の変容
第9章 結論

著者等紹介

東畑開人[トウハタカイト]
2010年京都大学大学院教育学研究科博士課程修了。2013年日本心理臨床学会奨励賞受賞。沖縄の精神科クリニックでの勤務を経て、十文字学園女子大学専任講師、白金高輪カウンセリングルーム、博士(教育学)、臨床心理士

中藤信哉[ナカフジシンヤ]
2013年京都大学大学院教育学研究科博士後期課程研究指導認定退学。京都大学学生総合支援センターカウンセリングルーム特定助教、博士(教育学)、臨床心理士

小原美樹[オハラミキ]
2008年早稲田大学大学院人間科学研究科修士課程修了。神田東クリニック/MPSセンターマネージャー、臨床心理士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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くろねこ

7
人類学的な見方が私に馴染みがないこともあってか、難しいところもありましたが、面白かった。どこが、何故、心理療法家の専門職集団は他の専門職集団と異なるのか。外側からみたらどう見えるのか。そもそも分析理論はひとつの神話、という理解に同意しつつも、そこに真実や確からしさ、リアリティを感じていたりもする。その神話は何をもたらすのかを相対化し自己省察し語る段階にきていて、むしろそれが出来るのが精神分析なのではと思ったりもしました。2024/02/18

イチイ

6
イギリスの精神分析の訓練機関におけるフィールドワークをまとめた学術書。(精神分析の)心理療法家という独特の分化や価値観、組織や行動規範を持った人々が、訓練機関によってどのように作られていくのかを調査することで、精神分析という神話の脱神話化を行う。人類学の本を読んだ経験が少ないこともあり、学術書としての構成のされかたに戸惑いも感じながら読んだ。個人的には特に精神分析理論に対する違和感や異議申し立てがいかに無視されたり無力化されていくかを扱った第4・5章が特にスリリングだった。大変勉強になった。2018/09/03

素人

3
監訳者の東畑開人氏が解説で述べている通り、心理療法共同体に関する既存の社会学的・人類学的議論が分かりやすくレビューされている。ここから色々読んでいけそうな感じ。個人的には「疑惑のマネジメント」に関する議論が面白かった。また、解説の中で筆者が現役の心理療法家でもあると知って驚いた。人類学者であることと心理療法家であることをどのように折り合いをつけているのだろうか。2024/10/10

ishida

1
むつかしかった…が、訓練機関のくだりはどの分野でもそんな感じだろうと思った2021/10/02

言いたい放題

0
ティッシュの箱を見せるか見せないか問題2024/03/26

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