内容説明
臨床家、教育者、読者としてのラカンの思想が、本書を通してその驚くべき実践的真理と有効性を開示する。
目次
序 これからなされるべき行為
第1章 読解法の革新、あるいはラカンの未曾有の教え
第2章 ポウの場合―精神分析の応用と内包
第3章 精神分析はどこがちがうのか、またはフロイトの独創性
第4章 精神分析と教育―有限なものと無限なものとを教える教育
第5章 エディプスを超えて―精神分析の標本物語
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
♨️
4
ラカンはテクストの全く新しい読み方を生み出した、というテーゼから始め、精神分析の場をいかにラカンが再定義したかという観点から議論を見ていく。ポー「盗まれた手紙」についての議論を解説しながら、従来の「精神分析的批評」とそれを比べ、従来の分析家とラカンの位置がちょうど大臣-詩人に騙された警視総監-数学者と見破ったデュパン-詩人の位置に匹敵するのだ、と読んでいく第二章がおもしろかった。エディプスを論じる第五章も、精神分析の議論の中にそうした神話があるということという観点からの議論で斬新な印象を持った。2020/07/14
べっか
2
ラカンの思想を知るには訳者あとがきが端的に詳しい。フェルマンの読みは中級者以上向け。2019/06/26
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