目次
1 間を生きる(フロイトの「私」―科学と芸術の間で;「あやしいこと」―投影を引き受ける;二重性という在り方、つまり矛盾でぶれる)
2 臨床に沈む(非対面法のすすめ―「見にくさ」という問題;症例報告―対象の表と裏、そして普通でいること;症例の未来から学ぶ―精神分析的精神療法;評価の分かれるところに―症例報告集と研修症例コメント)
3 二分法をわたしながら(「見にくい」は「美しい」;自然と「ゆ」;目を瞑る―「私」の兎角亀毛)
著者等紹介
北山修[キタヤマオサム]
1946年、淡路島に生まれる。1972年、京都府立医科大学卒業。札幌医科大学内科研修生を経て、ロンドンのモーズレイ病院およびロンドン大学精神医学研究所で卒後研修。帰国後、北山医院(現南青山心理相談室)院長。1991年より九州大学教育学部カウセリング講座助教授、1994年同教授。2000年より2010年まで九州大学大学院人間環境学研究院教授。日本精神分析学会元会長。現在、九州大学名誉教授、白鴎大学副学長、国際基督教大学客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おおにし
10
前半の精神療法の話は専門外でよくわからなかったが、後半の自分自身の精神分析について語るところは興味深く読めた。北山さんは外斜位という先天的な目の病気により、昼間の「兎」と夜の「亀」という二重人格をかかえてきたそうだ。自分自身の人格を分析するところから、精神の表と裏の二重性についての独自の理論が生まれたのだった。また「帰ってきたヨッパライ」がなぜあれだけヒットしたかを考えたことが精神分析に興味を持ったきっかけだったという話もリアルタイムにこのヒット曲を聴いた私には興味深いものであった。2013/11/13