内容説明
治療者と患者による心理療法的な対人関係の場あるいは容器は、両者の想像力の働きによって成立する。ここでの想像力は、面接場面での想像活動のみならず、夢や連想や箱庭表現も含んでいる。それは、傷ついた患者のこころを癒すと同時に、治療者自身のこころをも癒す。本書は、現代のユング派心理療法を、治療者と患者の関係性の視点から見直し、心理療法とは何かを探究した意欲的な試みである。
目次
第1章 夢と非日常
第2章 布置の逆転
第3章 コスモロジーの視点
第4章 怒りと心の変容
第5章 身体の覚醒
第6章 治療者と患者の間
第7章 心理化
第8章 想像力
第9章 容器の体験
第10章 破壊的なもの
第11章 現実を夢として聴く