感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そ吉
4
キャリコン2級の実技試験前に講師紹介のカウンセリングの古典を読んだ。 1979年に書かれた本書は時代的にジェンダーバイアスやハラスメントチックなところは感じられたが、面談技法としてのラポール形成事例等今でも十分参考となる面が多かった。 試験対策としては主訴の確認、キャリコンの見立、方策の合意へのプロセスを知りたかったがその前段で終わってる感じだ。 ロジャースの来談者中心の面談については否定的な感じだが実務になった場合キャリコンがどこまでクライアントにコミットするかは難しいところだ。★★★☆☆2022/01/06
kumaccho
4
臨床心理学初学者向けとして紹介されることが多いが、語り口は柔和で適度にユーモアも散りばめられており、読み物として普通に面白い。ときに厳しく(読者にとっての超自我のように!)、ときに失敗談や迷いを織り交ぜて我々と同じ目線に立って語りかけてくる。読了後には「あ、このおっさん好きかも」と、著者との間に良質なラポールが構築されていることに気づくだろう。クライエント側の人(メンタルが弱っている人)にあえてオススメしたい一冊。2019/05/07
ラピスラズリ
4
「カウンセリングの理論」と異なり、カウンセリングそのものの進め方や留意点について書かれている。カウンセリングというと、心に問題を抱えている人に向けたものだという印象があるが、この本に書かれていることはそれにとどまらない。特に、面接初期でのリレーションの作り方の部分は、先生と生徒、上司と部下のような立場において、よい関係を作るために大変参考になる部分が多いと思う。傾聴や共感などについて書かれた本は多いが、そのさらに一段上の技術を身につけたいと考えるならこの本はとても役に立つ。2019/04/30
kooichi1971
2
キリアカウンセラー養成講座のときに勧められたけど読まず、10年以上積読になっていた本。もっと早く読めばよかったとも思うが、いま読んだからよかったと思う面もある。 カウンセリングとは、「コミュニケーションを通して行動の変容を試みる人間関係である」本書の冒頭にある著者のことば。まったくその通りだと思う。それに資すると思われるあらゆるコミュニケーションをとってよいのだと思う。傾聴ばかりしていても行動変容は起きにくいだろう。2024/06/18
愛沢 直樹
2
▶同著カウンセリングの理論から、気になってこちらも読んだ。〜の理論は理論別に見ていくスタイルであるが、〜の技法はより実践的で、著者の面接スタイルが書かれている。▶技法だけでなく、その使い所なども書かれていた点が良かった。一方で悪い点として、それぞれの技法について詳細に文章で書かれているため、覚えるのが難しい。これは覚えるものではなく、身に付けるもの、という技法の側面でもあるとは思うが、もう少し簡潔な説明であっても良かったと感じた。2023/12/23