- ホーム
- > 和書
- > 人文
- > 精神医学
- > 虐待・トラウマ・PTSD
内容説明
本書は、トラウマ性のストレスとその治療について、これまでの研究成果と臨床的知識を集大成したもの。さまざまな領域の専門家からなる執筆陣によって、1980年に外傷後ストレス障害(PTSD)が定義されて以来行われてきた数多くの研究のエッセンスが凝縮されている。また同時に、トラウマ体験後の適応の複雑さ、まだその有効性が確立されていないPTSDの治療方法など、これから探求されるべき課題も提示。記憶、解離、文化とトラウマの問題、生物学的および心理学的プロセスの複雑な関係など、トラウマ研究の中心的な問題を取りあげながら、治療的介入が効果をあげるためには、PTSDが進行していくプロセスとその個々の段階について、深い理解が不可欠であることを明らかにしている。
目次
第1部 背景にある諸問題と歴史
第2部 急性の反応
第3部 トラウマへの適応
第4部 記憶:そのメカニズムとプロセス
第5部 発達的・社会的・文化的諸問題
第6部 外傷後ストレス障害の治療
著者等紹介
ヴァン・デア・コルク,ベセル・A.[ヴァンデアコルク,ベセルA.][Van der Kolk,Bessel A.]
医学博士。マサチューセッツ州ブルックリンにあるヒューマン・リソース研究所病院のトラウマセンター所長。本センターは、トラウマを受けた子どもおよび成人の治療・研究業務を行っている。また、ハーバード大学医学部の助教授であり、トラウマ性ストレス研究国際学会(ISTSS)の会長を務めた経歴もある。コルク博士はトラウマに対する適応に関して、発達的な観点および生物学的な観点から精力的な研究を行っており、特に、トラウマ性の記憶に関する研究については第一人者である。また、DSM‐IVのPTSDに関するフィールド・トライアルにおいては、研究員として中心的な役割を果たした
マクファーレン,アレキサンダー・C.[マクファーレン,アレキサンダーC.][McFarlane,Alexander C.]
医学博士。アデレイド大学医学部精神科教授で、南オーストラリアにあるクイーン・エリザベス病院精神科部長。マクファーレン博士は、1983年の大規模な森林火災の影響の研究を行ったことをきっかけに、その後、さまざまなトラウマへの反応に関する研究を展開している。また、臨床においては、事故、災害、拷問、戦争など、さまざまなトラウマ体験の被害者への治療に従事している
ウェイゼス,ラース[ウェイゼス,ラース][Weisaeth,Lars]
医学博士、学術博士。オスロ大学の災害精神医学講座教授。トラウマを受けた市民および兵士に関して、国連やその他の国際的機関のコンサルタントとして多彩な経験を持つ
西沢哲[ニシザワサトル]
1957年神戸市に生まれる。1981年大阪大学人間科学部行動学専攻課程卒業。1981~85年情緒障害児短期治療施設小松島子どもの家にて心理臨床家として勤務。1988年サンフランシスコ州立大学教育学部カウンセリング学科修士課程修了。1989年大阪府環境保健部にて心理技師として勤務。1995年日本社会事業大学社会福祉学部専任講師。現在、大阪大学大学院人間科学研究科助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 電子書籍
- 唯誠 さらば矢野康生