内容説明
本書は、非行を犯した子どもたちやその家族との繊細でダイナミックな臨床事例を通して、人間心理の複雑な機微や深淵を可能な限り描写し、悪とは何か、幸不幸とは何か、救いとは何か、心理療法とは何か、といった心理臨床の本質を追求する。
目次
第1章 非行心理臨床とはいかなる営みか―「悪」の論考を通じて
第2章 非行臨床研究の歴史的展望―研究者の内なる「悪」を踏まえて
第3章 心理臨床の原動力となるものとそれを援助的にせしめる要因―ある非行事例を通じて
第4章 非行臨床実践における統合的援助モデル―非行少年の悩み方と非行臨床の特殊性を踏まえて
第5章 非行臨床における家族療法的接近
第6章 総合的考察および今後の発展に向けての試論
著者等紹介
藤田博康[フジタヒロヤス]
1965年、東京都生まれ。京都大学教育学部教育心理学科卒業。カウンセリング修士(筑波大学)。教育学博士(京都大学)。家庭裁判所調査官、裁判所在外研究員(米国カリフォルニア州)、米国家族療法研究所Mental Research Institute研修員、スクールカウンセラー、統合的心理療法研究所臨床心理士等を経て、帝塚山学院大学大学院人間科学研究科教授。臨床心理士、家族心理士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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