出版社内容情報
◇ 解 説 ◇
児童相談所の事例を二つ、精神病院の事例を一つ、家庭裁判所の事例を一つ、それぞれの専門家が挙げてそれに対するコメントを二人の著者が行っている。従来の事例コメントの枠を超えて、臨床家としての二つの個性がぶつかり合って、「心理臨床とは何か」を熱く語っている。また、事例そのものが各領域の心理臨床家の職域に応じた特徴的なものとなっている。
◇ 目 次 ◇
1 風景構成法の実践
技法としての風景構成法/心理療法と風景構成法/風景構成法(作品)へのコミット
2 風景構成法実践の勘所
――実父による虐待を受けて育った中学生男児の事例から
事例の概要/面接過程/対談コメント
3 病院臨床における風景構成法の実践
事例の概要/面接の過程/対談コメント
4 児童臨床における風景構成法の実践
事例の概要/治療過程/対談コメント
5 司法臨床における風景構成法の実践
情報を体験として繋ぐ軸としての風景構成法/ほどよい関係性を保つ支えとしての風景構成法/
事例の提示にあたって/事例一/事例二/対談コメント
6 「幻聴事例」再考
事例の概要/自我の強さ・弱さ/風景構成法①/クライエントの夢/治療者の夢/
風景構成法②/風景として構成される「治療者―クライエント」/風景構成法③④
◇ 編 者 ◇
かいとうあきら|京都大学助教授
かわさきよしあき|学習院大学助教授
内容説明
本書は、児童臨床や病院臨床、司法臨床などさまざまな職業領域で実践されている風景構成法を中心とした心理療法の事例にたいして、編者の二人が対談という形式でその流れ、読み、コミットメントを徹底的に縦横無尽に語り合う異色の書である。心理療法は人間の日々の営みに密接に関わる実践的な領域である。それゆえ、心理療法家は激動する生活の変化が人間の営みに与える影響に敏感でなければならない。とくに、近代科学がもたらした恩恵の一方で、その操作性によって人間存在が深刻な危機に瀕していることを知っておかねばならない。本書に掲載されている事例と対談コメントを読み進むなかで、「風景構成法」が安易な操作性に流れることなく用いられるとき、そこには人間存在にたいして真摯かつ謙虚に向き合うという心理療法の原点をみることができるであろう。
目次
第1章 風景構成法の実践
第2章 風景構成法実践の勘所―実父による虐待を受けて育った中学生男子の事例から
第3章 病院臨床における風景構成法の実践
第4章 児童臨床における風景構成法の実践
第5章 司法臨床における風景構成法の実践
第6章 「幻聴事例」再考
著者等紹介
皆藤章[カイトウアキラ]
1957年福井県生まれ。1986年京都大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。現在、京都大学助教授、博士(文学)、臨床心理士
川崎克哲[カワサキヨシアキ]
1959年大阪府生まれ。1989年京都大学大学院橋育学研究科博士課程単位取得退学。現在、学習院大学助教授、臨床心理士
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