出版社内容情報
人間について心の動きよりアプローチする“まっとう”な学問である心理学を真正面から論じた、批判的思考を身に付けるためのテキストなぜ、心理学が人文科学でありながら、他領域科学よりも一段低く見られてしまうのか。それは、大衆の心理学という学問への誤解が大きい。本書はこの誤解をとくべく、人間の行動について心の動きからアプローチする“まっとうな”学問である心理学を、真正面より論じたテキスト。
原書は第10版と版を重ね、本書を読むための「手引書」が刊行されるほど、アメリカでは心理学講座のバイブル的なテキストである。特に、職人技やカリスマ性を誇示した疑似心理学に騙されないため必須となる批判的思考を学ぶために、医学・社会学・経済学・心理学分野の有名な調査研究を振り返り、出された結論のどこが正しく、どこが誤っているかを示しながら解説をする。
まえがき
謝辞
第1章 心理学は元気です(それに,ちゃんと学問やってます)
フロイト問題
現代心理学の多様性
科学の統一性
では,そもそも科学とは何ぞや?
心理学と民俗知:「常識」の問題
心理学はまだ若い学問
本章のまとめ
第2章 反証可能性:頭の中のリトルグリーンメンをやっつける方法
理論と反証可能性基準
科学における誤り:真実に近づくために
本章のまとめ
第3章 操作主義と本質主義:「でも先生,それってそもそもどういう意味?」
なぜ研究者は本質主義者ではないのか
心理学における操作的定義
本章のまとめ
第4章 支持証言と事例研究でのエビデンス:プラセボ効果と天才マジシャン
事例研究の位置づけ
なぜ支持証言に価値がないのか:プラセボ効果
「鮮明度」の問題
支持証言が疑似科学の道を開く
本章のまとめ
第5章 相関関係と因果関係:パンを焼くトースターで妊娠を避けられるか?
第3の変数問題:ゴールドバーガーとペラグラ
方向性の問題
選択バイアス
本章のまとめ
第6章 事象の統制:賢馬ハンスの事例
ジョン・スノウとコレラ
比較,統制,操作
本章のまとめ
第7章 「人為性」批判と心理学:「でも,それは現実の世界ではありません!」
なぜ自然状態である必要がないのか
心理学的理論の応用
本章のまとめ
第8章 収束証拠の重要性:アインシュタイン症候群を回避するために
連結性原則
収束証拠:弱点を伴いながら進歩すること
科学における合意形成
絶望しないための助言
本章のまとめ
第9章 複合原因の問題:「特効薬」に惑わされて探し求めること
交互作用の概念
単一原因の説明をしたくなる誘惑
本章のまとめ
第10章 確率的推論:人間の認知のアキレス腱
「〇〇な人」統計
確率的推論と心理学に対する誤解
確率的推論についての心理学の研究
本章のまとめ
第11章 心理学における偶然の役割
偶然の出来事を説明しようとする傾向
偶然と心理学
誤りを減らすために誤りを受け入れる:臨床的予測と統計的予測との対立
本章のまとめ
第12章 学問の世界の哀しきコメディアン
心理学のイメージにまつわる問題
心理学と他の学問領域
心理学にとっての最悪の敵
皆誰でも心理学者?:暗黙の行動理論
科学的心理学への抵抗の起源
おわりに
文献
邦訳文献
監訳者あとがき
人名索引
事項索引
キース・E・スタノヴィッチ[スタノヴィッチ キース.E.]
Keith E.Stanovich|トロント大学発達・応用心理学部門応用認知科学部長
金坂 弥起[カネサカ ヤオキ]
鹿児島大学大学院臨床心理学研究科准教授
目次
心理学は元気です(それに、ちゃんと学問やってます)
反証可能性:頭の中のリトルグリーンメンをやっつける方法
操作主義と本質主義:「でも先生、それってそもそもどういう意味?」
支持証言と事例研究でのエビデンス:プラセボ効果と天才マジシャン
相関関係と因果関係:パンを焼くトースターで妊娠を避けられるか?
事象の統制:賢馬ハンスの事例
「人為性」批判と心理学:「でも、それは現実の世界ではありません!」
収束証拠の重要性:アインシュタイン症候群を回避するために
複合原因の問題:「特効薬」に惑わされて探し求めること
確率的推論:人間の認知のアキレス腱
心理学における偶然の役割
学問の世界の哀しきコメディアン
著者等紹介
金坂弥起[カネサカヤオキ]
専門分野、臨床心理学。1965年神奈川県に生まれる。1997年九州大学大学院教育学研究科教育心理学専攻博士後期課程単位取得退学。現在、鹿児島大学大学院臨床心理学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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