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内容説明
人が体験する打ちのめされるような喪失感(悲しみ)は、共感的な聴き手に話す(言葉を与える)ことによって癒やされ、人生のなかに主体的に位置づけることができる。また、喪失をその後の人生の糧にもできる。本書は、悲しみを表現することの治療的な価値を、文学や体験記など、さまざまな引用と心理学の学説をもとに具体的に論じている。
目次
喪失研究入門―なぜ悲しみに言葉を与えることが必要なのか
用語の定義、解釈作りの視点
親しい人の死による喪失
離婚・離別による喪失
理不尽な暴力による喪失
戦争や大量虐殺による喪失
病気や事故による喪失
貧困、ホームレス、失業
喪失とトラウマを国際的な観点から見る―ルーマニアの事例
公認されていない悲嘆とスティグマ化
適応
エピローグ―大きな喪失に対処するための実践的な方略
著者等紹介
ハーヴェイ,ジョン・H.[ハーヴェイ,ジョンH.][Harvey,John H.]
アイオワ大学の心理学教授。専門は社会心理学。1998年春にフルブライト研究員としてルーマニアに滞在し、喪失の研究に従事した。これまで、バンダービルト大学、オハイオ州立大学、テキサス工科大学において教鞭をとった。『現代心理学』の前編集長、『社会‐臨床心理学』『個人的・対人的喪失』の雑誌の初代編集長を務めた
安藤清志[アンドウキヨシ]
1950年に東京に生まれる。1979年東京大学大学院人文学研究科博士課程満期退学。東京女子大学教授を経て、現在、東洋大学社会学部社会心理学科教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たかこ
52
出版は2000年、2022年の日本語訳を読む。「人が体験する打ちのめされるような喪失感(悲しみ)は、共感的な聴き手に話す(言葉を与える)ことによって癒され、人生のなかに主体的に位置づけることができる。また、喪失をその後に人生の糧にもできる。」喪失といえば、死別と捉えがちだけれど、実は様々な喪失がある。論文と異なるこの本には、喪失を体験した人々の経験を新聞記事や著作の中から選びぬいた引用文が多く、心の琴線に触れるものばかり。「読む人自らの経験に照らして本書の内容を理解する助けになる。」とある通り、私が一番2024/05/21
EMI Matsumura
0
修士論文で使うために読んだ。2012/09/19