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内容説明
これ以上残虐な事件を著者は知らない。「支配と服従」の密室で、少女は何を目撃したのか。
目次
第1章 少女監禁(逮捕された男女の完全黙秘;「私が小学五年のとき父は殺された」;監禁被害者二人の同居)
第2章 一家殲滅(七人被害の捜査終結宣言;松永太と緒方純子は高校の同期生;少女の父親との出会い ほか)
第3章 死刑求刑(毎週水曜日の集中審理;プロデューサーと現場監督;ムチを振るう御者と走る馬)
著者等紹介
佐木隆三[サキリュウゾウ]
1937年、北朝鮮に生まれる。56年、福岡県立八幡中央高校卒業、八幡製鉄所入社。63年『ジャンケンポン協定』で第3回新日本文学賞受賞。64年退社。76年『復讐するは我にあり』で第74回直木賞受賞。91年『身分帳』で第2回伊藤整文学賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きら
4
2002年に一人の少女の証言から発覚した、日本犯罪史に間違いなく残る凶悪事件、北九州一家監禁殺人事件の真相を追ったルポタージュ。 一つの家族が長期間もの間監禁され虐待され、殺し合わされるというあまりに凄惨な内容から早々に報道規制されてしまった事件。主犯の松永太は、ある意味では間違いなく人心掌握の天才だったのだろう。しかしその類稀なる能力は、最悪の方向に開花してしまった。どこをどうしたらこんな怪物が出来上がるのか、理解の範疇を完全に超えている。尼崎の例もある今、こういう事件に蓋をして風化させてはならない。2012/11/27
纏
3
こんな事件があったのか。まさに事実は小説より奇なり。どのような空気が、その時その場所で流れていたのか想像しようもないが、家族を殺し遺体を損壊するなんて、恐ろし過ぎる。世に語り継がれる悲惨な事件の一つ。しかし、この著書は特に前半が読み取りにくい。2015/07/15
海
3
何年か前福岡であった凄惨な事件。事件の詳細とその後どうなったのかが知りたくて読んだら、怖くて眠れなくなったwとにかく想像を絶する事件なので、これは規制がかかってテレビでは報道できないと思った。人間の皮をかぶった悪魔って本当にいるんだね。2012/02/02
ラルフ
3
『北九州連続監禁殺人事件』関連本。事件の概要や冒頭陳述などの公判記録から主犯・松永太と、その共犯者・緒方純子が一家殲滅に至るまでの心理を振り返る。何故家族は殺しあったんだろう…。家族はなんで松永に立ち向かわなかったんだろう?僕が同じ状況に立ち決断を迫られたら松永を殺そうと考える、一家は何故家族を殺す前に松永を殺そうと考えられなかったんだろう…。それさえも出来ない様な絶対的な恐怖とはどんなもので、悪魔の囁きは人をこうも変えてしまうものなのだろうか…結局答えは見つからなかった。2009/10/31
からざ
2
犯人が同じ人間とは思えない。そしてこんなに簡単に人は洗脳されてしまうのかと驚愕した。こういう事件は案外身近に起きるかもしれなくて私も疑うことせずになんとなく生きていたら、人のふりをしている鬼畜にやられてしまうかもしれないと危機感を感じた。もっとしっかり生きようと思う。 この事件はもっと多くの人が知るべきだと思う。2012/11/20