内容説明
潜伏する衝撃―環境ホルモン、地球温暖化、止まぬ核の脅威…「原子力の誕生」に立ち会った最後の日本人科学者が託す次の選択。
目次
序 科学が人類につきつけた最後通牒(科学者の「予言」が現実になった日;誰によって保証される安全か ほか)
1章 「人類が直面する危機」の科学的大予言―環境ホルモン・温暖化・キレる社会をどうするか(若者の「異変」が明らかになったとき;危険が証明されていなければ安全なのか;一見きれいな社会にひそむ毒 ほか)
2章 「最先端技術の危うさ」を検証する―核廃棄物・クローン技術・新エネルギーのゆくえ(原子力が解放された日;技術と科学の分かれ道;日本の「原子力爆弾開発計画」 ほか)
3章 「現代を蝕む非科学的な発想」を解明する―混沌の教育・政治を打開する、科学的理論(これからの世界を切り拓くために;危機はチャンスでもある;文部省廃止論 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
里のフクロウ
1
戦時中から戦後にかけての量子理論を打ち立てる困難の思想的根拠とした哲学思想が50年後までそのまま息づいている。物理学者でありながら哲学的技術論まで深く考察してきた生き方は、本書が刊行された20世紀末においても褪せることなく、科学技術のあるべき姿を洞察しその危険性について鋭く警鐘を発している。残念なことに福島は武谷博士の杞憂が的中する形となり出口を求めて模索をする今、博士の信念である「人間の理性の進歩」を裏打ちする思想を提示するものとして現代においても貴重なものであると感じた。2016/09/09
しぎちゃん
1
お薦めの一冊。1998年発行ですが、3・11を経てのこの日本に今必要な一冊だと思う。著者の武谷氏は湯川秀樹と共に「中間子論」の研究をした方。2013/01/12
愛希穂
0
お薦めの一冊。1998年発行ですが、3・11を経てのこの日本に今必要な一冊だと思う。著者の武谷氏は湯川秀樹と共に「中間子論」の研究をした方。2013/01/12