内容説明
愛は女を美しくする。愛するとは人生の喜び。多く傷つくことは愛の深さ。女性の幸福と自由の新しい道徳をつくる一冊が、新装版になった。
目次
1 愛からの追求(忘れてはならない能力;男が本当に愛したい女;悲劇をおこす男女のズレ;奪う心理、奪われる心理;対等に愛し合う自信;自分のかくれた欲望;女にかくされている叫び)
2 愛からの自覚(魔におそわれる不可抗力のとき;女が離婚にふみきるとき;惨めな愛の因果関係;“男まさりの女”の分析;自分のうちからあふれる愛)
3 愛からの生き甲斐(仕事と愛に生きるとき;女そのものの正体;人間の愛欲の本能;女の可能性を拡げる勇気;本能的な無意識の打算;友情はどこで確認するか;未亡人という女の中の心;幸福の何たるかを考えるとき)
著者等紹介
瀬戸内寂聴[セトウチジャクチョウ]
1922年徳島市生まれ。東京女子大学国語専攻部卒業。56年、新潮社同人雑誌賞受賞。60年『田村俊子』で田村俊子賞受賞、63年『夏の終り』で女流文学賞受賞。73年、中尊寺で得度受戒、法名寂聴となる。74年、京都の嵯峨野に寂庵を結ぶ。87年、岩手県天台寺住職となる。92年『花に問え』で谷崎潤一郎賞受賞、95年『白道』で芸術選奨文部大臣賞受賞、97年文化功労者受章、01年『場所』で野間文芸賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Book worm7
2
ナイーブで正直な女ほど、好きな男に全てをさらけ出す、NG。2019/05/18
精看探求士
2
女という性について深く考察された本。女である前に人間だ、母である前に人間だ。長い歴史の中で、男に従順でなければならないという生き方が当たり前のようになっていた。幼少期から沢山の本を読み、そうではないことを知っていた寂聴さん。初潮以前からの性への目覚めとともに、端整な文章で綴られる。男性が読むと、自分の不甲斐なさを痛感するだろう。女性は共感とともに、女らしくからの脱皮は自己をしっかりと見つめる事であることを知るだろう。2015/04/07
七草
1
だいぶ前、学生時代に読んだのですが、「男が子供を産むようにならないかぎり、本当の意味の男女同権などはあり得ない」という部分が衝撃的でした。
yurari
0
女とはかくあるべし、みたいな内容が多くてちょっと気詰まり。 目が覚めるような話はなく、期待はずれ。2014/09/11
ころにゃん
0
堅い題の本である。著者はこの中で、戦争の真っ只中に青春を過ごし、戦争の傷を受けた世代の女性の苦悩を書いている。自我に目覚め、隠された才能と開発に勇敢に挑む女たちの悩み、男の求める「女」と実在の女の中にある本性とのズレ、それゆえの誤解が視点を変えて書いている。また、著者自身の家出、離婚、恋、苦渋、快楽など正直に告白しながら、若い人のこれからの恋、愛、結婚、離婚についても語られている。女性の悩みは時代が経っても変わらないものだと思った。 2013/10/26