内容説明
オリエント急行、シベリア鉄道…世界を走る鉄道がもたらしてくれる楽しみは、旅情だけではない。本書では、いわば「文明の象徴」であった鉄道の建設に秘められたエピソードから、知られざる歴史の側面を読みとくことを試みた。民族の交流や興亡、そして野望―鉄道地図から浮かび上がる、歴史の新しい楽しみ方を提示する。
目次
第1章 「鉄道」の誕生から始まった、激動の近現代史(大国の“鉄道政策”が変えた世界地図;一本の鉄道開通から、歴史は動いた ほか)
第2章 新路線建設が塗り変えた、世界の民族地図(革命下のロシアに送り込まれた“封印列車”;「開拓の時代」を駆け抜けた大陸横断鉄道 ほか)
第3章 一本の鉄道が勝敗を左右した、戦争の裏面史(近代日本の命運を握った、世界最長の鉄道;「要塞よりも鉄道を」統一を懸けたドイツの悲願 ほか)
第4章 民族の夢と野望を乗せて、今なお走る大鉄道(なぜ、ヨーロッパを走る豪華列車に「オリエント急行」の名がついたのか;鉄道が演出したファシズム台頭劇 ほか)
著者等紹介
宮崎正勝[ミヤザキマサカツ]
1942年、東京都生まれ。東京教育大学文学部史学科卒業。都立三田高等学校、筑波大学付属高等学校教諭、筑波大学講師などを経て、現在北海道教育大学教育学部教授。NHKのラジオやテレビでの世界史講座担当や、高等学校の世界史教科書の編集・執筆など、歴史教育に長年携わる
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