感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コウメ
20
文明の行き詰まりの根本は人間性の喪失にある。確固たる生き方の基準がないと衝動的な行動が増える。青年の育成には温かい支援が不可欠であり、人の心を動かすのは真剣さと情熱。誠実さと粘り強さが信頼を生む。人生は己の惰性と油断との戦い。敵は外ではなく己の中にいる。青春とは弱さに負けず自らに挑戦し続けること。自分を制し、自分に打ち勝つことが、人生のすべてに勝利する鍵である。2025/03/04
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10
再読。「悪に騙されてはいけない。奸智を見抜けぬ人のよさは、正義の無残な敗北の原因となる」168p。これを、この著者にしていうのだから、千金の重みを感じる。「現代社会の不幸の元凶は、人間生命が尊厳なる存在であるという、本源的な考えが欠如していることだ。この思考を欠いては、人間の復権はありえない。人間の尊厳とは、人間の生命、人格、個人の幸福を、いかなることのためにも、手段にしないということである。そして、それを裏付ける大哲理が世界に流布されなくては、本当の人類の幸福も平和もない」288p。この思想を広めたい。2020/10/07
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3
「君よ、わが弟子なれば、今日も、三十年先のために、断じて戦い進め。君の後にも、多くのわが弟子たちの、陸続と進みゆくことを、忘れないでいてくれ給え。君には、多大なる責任と使命があるのだ。その為に犠牲になったとしても、後輩の道だけは、堂々と切り開くことだ。祈る、健康と成長。 伸一」(393p)。もう弱音を吐いていいような若さでもないが、失敗すれば敏感に凹む心を出す先なく抱える弱い自身。本書の中には、何もかわらず励ましを続けてくれる、伸一という登場人物がいる。読み進め、はた引用の励ましの言葉に突き当たる。感動。2025/03/27
Norimasa Saito
3
1967年(昭和42年)が舞台。会長就任7周年であらゆる事業を立ち上げていく。伸一の会員への比類ない愛情が創価学会を躍動させていく。人への励まし、祈り、そして、郷土愛が地域の発展となる。大都市ではなくあえて小さな地方都市を廻って激励する伸一の行動、1番苦労している地域を大事にする人間愛が描かれていく。初代牧口常三郎の獄死を日本国最大の汚点と断じ、日本国憲法を尊重していく考え方も表される。学会の平和主義の淵源に触れた思いがする。2019/03/12
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2
「苦労して当然である」との心意気でいけとある。自分の状態で嫌だなと反発したりもする。使命を歩む人物の気概だと捉える事もある。どうも読み手によって随分と感じ取れるものが違うらしい。学園設立や識者との対談など、現在の学会の萌芽を感じる巻であった。2016/05/31