ねがいごと

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  • サイズ B6判/ページ数 79p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784411041500
  • NDC分類 K953
  • Cコード C8797

出版社内容情報

子供のいない夫婦にクリスマスの夜突然のプレゼント。それはまちにまった子供。でもふたりはいつのまにか心臓(こころ)に変わってしまって…。現代フランスの人気作家が親と子の愛情について描く。親子で読んで楽しめます。

 作者のマリー・ンディアイは、一九六七年、フランス中部のピティヴィエという町に生まれ、パリ郊外で育ちました。母親はフランス人、父親は西アフリカの国セネガルの出身です。いわゆる「白人」と「黒人」のハーフですが、両親は早くに別れ、マリーは母親のもとで育ちました。アフリカ文化とほとんど接触することなく、フランスで、フランス人のあいだで生まれ育ったマリーは、それだけに、まわりと異なった顔だちをもつ自分に対する人びとの視線にさらされます。そんな環境のなかで、彼女は幼いころから、名前や肌の色と関係なく踏みこんでいける文学の世界に親しみ、作家を目指すようになります。
 十七歳という若さでデビューしたのち、今日までに十数冊の大人向けの小説や戯曲を発表し、フランス現代文学のなかでも飛びぬけた実力をもつ作家として知られています。二〇〇一年には小説『ロジー・カルプ』で、フランス最高の文学賞のひとつであるフェミナ賞を受賞しました。作品は複数の言語に翻訳されており、日本でも、短篇集『みんな友だち』が二〇〇五年に出版されています。また、『ロジー・カルプ』や、最新作『心ふさがれて』も近日刊行となるほか、初来日も予定されています(二〇〇八年十月)。なお『心ふさがれて』は、本作『ねがいごと』と同じく、「こころ(coeur[oeつなげる])」がキーワードになっています。
(・・・)
『ねがいごと』には、「リアル」と「ファンタジー」、「いいこと」と「悪いこと」の境界線が揺らぐような独特の雰囲気がありますが、それは大人向けに書かれたンディアイ作品と共通しています。いくつもの読み方ができる、という点も、変わりません。スカッとするというよりは、なにか謎めいた夢を見てしまったときのような、微妙な読後感をもたらす物語です。心を揺さぶられながらも、同時にきょとんとしてしまう感じ、と言えばいいでしょうか。
(・・・)
 クリスマス・プレゼントのようにして現れた養女を、両親は、むやみに飾りたてて、人形みたいに、こわれやすいモノみたいにあつかいます――ところが、実は、こわれやすいモノになっているのは自分たちです。大人が子どもみたいで、子どもはどこか大人びている。いわば鏡の国にいるように、ものごとの関係が反転しています。
 事件が起き、時間が経って、ようやく最後に、両親は自分たちの要求を娘に押しつけるばかりではなく、本心を隠すことで娘にゲームをしかけたり、いっしょに何かしようと誘ったりするようになります。つまり、モノではなく、自分たちとは別の、ひとつの人格として、子どもを見るようになった、ということです。「秘密」や「誘い」は、「相手がなにを考えているかわからない=自分とは別の人間だ」という前提があってこそ、成立するのですから。カメリアと両親、双方のねがいがとうとう一致します。三人は、ふつうの親子になったのです。
 作者は、カメリアを登場させた瞬間から、ずっとカメリアの視点で物語を語っています。ふたつのクリスマスにはさまれた一年間にわたる、変身した両親との生活。それは、見知らぬ国の、見知らぬ親のもとにやってきた黒い肌の女の子が、新しい環境に慣れて、なんでもない日常を親と過ごせるようになるまでの、違和感や、とまどいや、反発を、映しだしているのかもしれません。(訳者あとがきより)

内容説明

クリスマスの夜、子どものいない夫婦のもとにひとりの少女が現れる。しかし少女とひきかえに夫婦は心臓に変身してしまう…。やさしくもせつない親子の物語。

著者等紹介

ンディアイ,マリー[ンディアイ,マリー][NDiaye,Marie]
1967年、フランス中部のピティヴィエに生まれる。現代フランス文学を代表する作家の一人。幼いころから作家を志し、17歳でデビュー。これまでに十冊以上の小説や戯曲を発表しているほか、童話を三冊刊行している。2001年に『ロジー・カルプ』(邦訳は早川書房、近刊)でフェミナ賞を受賞。作家ジャン=イヴ・サンドレーとの間に三人の子どもがいる。現在はドイツのベルリンに暮らす

シャルバン,アリス[シャルバン,アリス][Charbin,Alice]
1969年、フランスのノルマンディ地方に生まれる。イギリスでグラフィックアートとイラストレーションを学ぶ。児童書を中心に、書籍、雑誌、広告のイラストレーターとして活躍している。エルメスの公式サイトでイラストを担当。パリに暮らす。四人の子どもがいる

笠間直穂子[カサマナオコ]
1972年、宮崎県に生まれる。上智大学、東京大学大学院、ルーアン大学でフランス語とフランス文学を学ぶ。現在は上智大学ほかで非常勤講師をつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スイ

9
「親のこころを守るのは、子どもの仕事じゃないわ。」 突き刺さった…。 クリスマスに、子供が欲しい夫婦の元に子供がやって来る、というのは王道のクリスマスストーリー。 しかし代わりに、夫婦は「心」だけになってしまう、となるとこれは王道ではないぞ、と身構えることになる。 短い絵本だが、しっかりとした芯がある。 読むごとにその時の自分の状況から、様々なことを考えられる作品だと思うので、読み返していきたい。2018/04/25

きゅー

9
現代的なおとぎ話。子供のできないお金持ちの夫婦のところに肌の黒い少女がやってくる。夫婦は大喜びで彼女におもちゃを与え、きれいな服を着せ、大事に見守るのだが。こども向けの童話というよりも、もう少し上の年代向けに書かれたものだろうか。著者ンディアイ自身、フランス人の母とセネガル人の父の間にうまれている。彼女の他の作品では親子関係テーマが主要なモチーフとなっているが、この作品では養子制度について焦点があてられている。ンディアイの語りかける親子のつながりについて、自分自身を振り返り考えながら本を閉じた。2014/06/06

soran

0
面白い! 自分たちの考える子供というコンセプトにひたすら愛情を注ぐ親(この場合は養親だけど)。そんな親のココロを面倒みちゃう子供がけなげ。エンディングがさわやか。こういう親子関係ってけっこうありそうで、なかなか寓意が深い。2010/06/01

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