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目次
序論 何にもまして友情が大切である
第1章 諸文明の未来
第2章 討論
第3章 アルジェリア人としての経験と思い出
第4章 東洋と西洋、同質性と差異
第5章 不正行為と急進的潮流
第6章 区別するべきか、関連づけるべきか?
第7章 進歩は完全である一方で不完全でもある
結論 私たちの生活には異なる他者が不可欠である
対談後記 南海岸からのアデュー、ジャック・デリダへ
著者等紹介
小幡谷友二[オバタヤユウジ]
1969年生まれ。早稲田大学第二文学部(西洋文化専修)卒。中央大学大学院博士後期課程単位取得満期退学。トゥールーズ第2(ル・ミラーユ)大学博士課程修了(文学博士)。平成10年以降「フランスのコンパニョナージュ」現地視察調査に参加。中央大学、明治学院大学、立正大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobi
46
アルジェリア人J.デリダとM.シェリフのこの公開討論会は2003年5月開催。直前にアメリカ等によるイラク攻撃があり、アルジェリアでも2002年まで10年に亘る内戦があった。そんな緊迫した状況下ながら「文明の対話」に関するシンポジウムということもあってか、アフリカのユダヤ人、ムスリムであるが故に国家間民族間の理不尽な歴史を体感しているはずの彼らが発しているとは思えない理想論を論じているように見える。それでも“多元性が文明の本質そのもの”といった原点に立ち返った議論は紛争のニュースに明け暮れる今こそ必要かも。2023/11/11
新田新一
13
仏の哲学者ジャック・デリダとアルジェリアの学者ムスタファ・シェリフの対談。この本は非常に良かったです。最近読んだ本の中で一番感銘を受けました。装丁がまず美しく、”Moi, l'Algerien" (私はアルジェリア人である)という帯があり、穏やかで優しげな晩年のデリダの写真が載っています。この透徹した眼差しが、本書の内容につながっていきます。あらゆることを受け入れ、あらゆる差異を乗り越えて、世界中の人々と争いになしに生きていく方法が探られます。デリダが提唱した脱構築の精神が生き生きと感じられました。2024/03/25
Ecriture
4
シェリフやデリダはなぜ「一部のイスラム教徒を詐称する者」たちと実際に対話しなかったのか。イスラームと西洋ではなくイスラーム内部の対話が必要なのだと痛感する。その一方でコスモポリタニズムを超えた「来るべき民主主義」の推奨や、「グローバリゼーションなるものは私は生じていないと思います」、「今日、驚くべき進歩にもかかわらず文明は存在していません」などスリリングな発言がないわけではない。2009/03/19
呑芙庵
2
初めて読み通したデリダはこれだった。再読。デリダの躓くべきところを余すことなく躓いていく丁寧な態度が滲み出ている講演。2017/06/05
犬養三千代
2
現代思想の目的は私達を絶望や悲観論の袋小路から抜け出せる一助となるだけでなく本当の問題からの、迂回路をいくつも用意している。 いくつもの迂回路をみつけるのが胆であり深く考えることなかぁ2015/04/30