出版社内容情報
甲骨文字・金文・戦国古文・篆書・隷書・楷書
豊富な図解を用いて字形に秘められた豊かな歴史を解き明かす
ただの識別記号ではない、古代の文化や社会を反映して作られた文字
漢字は、無味乾燥な記号に見えるかもしれませんが、実際には古代の自然や社会を反映し、それが長い時代を経て受け継がれてきました。本書の図解で、多くの方々に漢字の歴史とその面白さを感じていただければ幸いです。(本書より)
◎目次
はじめに
序章 漢字の歴史
第一章 象形文字
第二章 指示文字
第三章 会意文字
第四章 形声文字
第五章 仮借文字・転注文字
第六章 複雑な変化をした文字
第七章 旧字体から成り立ちが分かる文字
おわりに
主要参考文献
文字索引
コラム1 字形の歴史とその複雑さ
コラム2 特殊な発音変化
コラム3 構造が変わっていない会意文字
コラム4 意味情報による会意文字
内容説明
甲骨文字、金文、戦国古文、篆書、隷書、楷書。字形に秘められた豊かな歴史を解き明かす。ただの識別記号ではない古代の文化や社会を反映して作られた文字。
目次
序章 漢字の歴史
第1章 象形文字
第2章 指事文字
第3章 会意文字
第4章 形声文字
第5章 仮借文字・転注文字
第6章 複雑な変化をした文字
第7章 旧字体から成り立ちが分かる文字
著者等紹介
落合淳思[オチアイアツシ]
1974年愛知県生まれ。立命館大学大学院文学研究科史学専攻修了。博士(文学)。現在、立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
なつみかん
1
各漢字の甲骨→金文→古文→篆書→隷書→楷書と字体の変遷が分かりやすく、絵から文字へ記録記号として進化し運用効率が良くなっているのが理解できた。形声文字を構成する意符、音符。仮借は発音の、転注は意味の類似性による抽象概念への当て字という用字法。象形、指事、会意、形声は文字の作り方という造字法なんだって。また僕は表意文字と覚えている漢字は意味と発音を表す表語文字と言われるんだって、知識のアップデートもできた。ぶっちゃけ理解できない部分もあったが丁寧に構成された本でお値段以上の価値を感じた良書でした2024/07/16
あゆ
1
1980年代頃より上古漢字の研究は科学革命を迎えたが、本書はその水準には達していない。厳格な字形の変化法則を無視して字の形から受ける「印象」が近似しているだけの無関係の字を同一字と判定する例、字の形から受ける印象から存在しない語義を創作する例、音韻論に対する無知さによる形声字の比喩的・象徴的・印象論的説明、そしてそれらを正当化するためだけに考案されたアドホックで非言語学的な語源説……、このような誤認パターンが敷き詰められている。本書が、科学研究に関わる人々の障害とならないことを願う。2022/09/28