内容説明
最高蛇巫としての女性祭祀者を最上位におく原始日本の伝統を記紀や新羅の神話の局面に探りながら(第一部)、万事に中国を範とした古代日本にあって、女帝皆無の中国に対し、わが国ではどうしてこのように多くの女帝を排出したかを、天の北極星の神霊化たる太極としての天皇存在の本質から説き起こす(第二部)。推古、皇極、持統、孝謙等々、歴代の女性天皇の女帝としての「徳」獲得のさまざまなあり方を、易・五行の中国哲理によって解明する吉野民俗学の真骨頂。
目次
座談会 「天皇制をめぐって」(小柴昌俊・小柴慶子・遠山慶子・吉野裕子)
序 中国における女帝不在の原理
1 原始日本社会の女性上位(祭祀面女性上位;軍事面女性上位)
2 古代日本の女性天皇(第三十三代推古天皇;第三十五代皇極天皇・第三十七代斉明天皇(皇極天皇重祚)
第四十一代持統天皇即位前記
第四十一代持統天皇即位以降
第四十三代元明天皇・第四十四代元正天皇
第四十六代孝謙天皇・第四十八代称徳天皇(孝謙天皇重祚))
著者等紹介
吉野裕子[ヨシノヒロコ]
1916年東京に生まれる。1934年女子学習院、1954年津田塾大学、各卒。1975~87年学習院女子短期大学非常勤講師。1977年3月『陰陽五行思想からみた日本の祭』によって東京教育大学から文学博士の学位を授与される。山岳修験学会、日本生活文化史学会、各理事
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