出版社内容情報
生命とリスクをどう測るのか。科学と政治、経済のアリーナに立ち上がったバイオ化する市民たち
・ 緻密なフィールドワークに基づいて、放射線被害を受けた人々の直面する社会的現実を明らかにするのみならず、被害自体が、被災者個人、汚染地域、ウクライナ国家の、また国際的な科学研究、政治・経済的かけひきの契機となっている現状を鮮やかに捉えている。311後、新たな序文を加えた2013年新版の翻訳。
彼らはどうやって生き延びたのか――二〇一三年版への序
第1章 チェルノブイリ後の生政治
第2章 専門家の過ち――生命とリスクを見積もる
第3章 歴史の中のチェルノブイリ
第4章 仕事としての病い――人間市場への移行
第5章 生物学的市民権
第6章 現地の科学(ローカル・サイエンス)と生体的(オーガニック)プロセス
第7章 自己アイデンティティと社会的アイデンティティの変化
第8章 結 論
【著者紹介】
アドリアナ・ペトリーナ(Adriana Petryna) ペンシルベニア大学人類学教授。PhD(カリフォルニア大学バークレー校)。医療人類学、科学技術研究、東欧地域研究。処女作である本書は、医療人類学会で新世紀著作賞(2006年)、アメリカ民族学会でシャロン・ステファンズ最優秀賞(2003年)を受賞。著書としてほかに、When Experiments Travel: Clinical Trials and the Global Search for Human Subjects (2009)、共編著に、When People Come First: Critical Studies in Global Health (with Joao Biehl, 2013)、 Global Pharmaceuticals: Ethics, Markets (with Andrew Lakoff and Arthur Kleinman, 2006)がある。
内容説明
著者は、政府機関、病院、研究所のほか、被害を受けた家庭や「ゾーン」の労働者などに密着したフィールドワークを通じて、ポスト社会主義の混乱のなかで人びとが直面する現実を明らかにした。チェルノブイリが形作った新国家ウクライナのありようだけでなく、放射線被害が、市民や地域の変容、また国際的な政治的・経済的かけひきの契機となっている現状を鮮やかに捉えた、災害研究の必読書であり、医療人類学、医療社会学、生命倫理の議論においても注目される。本書の問題提起は、とりわけ311以降の日本に鋭く迫る。
目次
第1章 チェルノブイリ後の生政治
第2章 専門家の過ち―生命とリスクの見積もり
第3章 歴史の中のチェルノブイリ
第4章 仕事としての病い―人間市場への移行
第5章 生物学的市民権
第6章 現地の科学と生体的プロセス
第7章 自己アイデンティティと社会的アイデンティティの変化
第8章 結論
著者等紹介
ペトリーナ,アドリアナ[ペトリーナ,アドリアナ] [Petryna,Adriana]
ペンシルベニア大学人類学教授。PhD(カリフォルニア大学バークレー校)。医療人類学、科学技術研究、東欧地域研究。処女作である『曝された生―チェルノブイリ後の生物学的市民』は、医療人類学会で新世紀著作賞(2006年)、アメリカ民族学会でシャロン・ステファンズ最優秀賞(2003年)を受賞
粥川準二[カユカワジュンジ]
1969年生まれ。愛知県出身。ライター・編集者・翻訳者。「ジャーナリスト」と呼ばれることもある。国士舘大学、明治学院大学、日本大学非常勤講師。博士(社会学)
森本麻衣子[モリモトマイコ]
1977年生まれ。東京大学法学部卒業。カリフォルニア大学バークレー校文化人類学博士課程在籍。東アジアにおける歴史と記憶、暴力とトラウマ、革命の言説とその終焉などに関心をもつ
若松文貴[ワカマツフミタカ]
1978年生まれ。ハーヴァード大学大学院博士課程修了。PhD(人類学)。京都大学学術支援室リサーチ・アドミニストレーター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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