曝された生―チェルノブイリ後の生物学的市民

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  • サイズ A5判/ページ数 374p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784409530504
  • NDC分類 543.5
  • Cコード C3036

出版社内容情報

生命とリスクをどう測るのか。科学と政治、経済のアリーナに立ち上がったバイオ化する市民たち

・ 緻密なフィールドワークに基づいて、放射線被害を受けた人々の直面する社会的現実を明らかにするのみならず、被害自体が、被災者個人、汚染地域、ウクライナ国家の、また国際的な科学研究、政治・経済的かけひきの契機となっている現状を鮮やかに捉えている。311後、新たな序文を加えた2013年新版の翻訳。

彼らはどうやって生き延びたのか――二〇一三年版への序
第1章 チェルノブイリ後の生政治
第2章 専門家の過ち――生命とリスクを見積もる
第3章 歴史の中のチェルノブイリ
第4章 仕事としての病い――人間市場への移行
第5章 生物学的市民権
第6章 現地の科学(ローカル・サイエンス)と生体的(オーガニック)プロセス
第7章 自己アイデンティティと社会的アイデンティティの変化
第8章 結 論

【著者紹介】
アドリアナ・ペトリーナ(Adriana Petryna) ペンシルベニア大学人類学教授。PhD(カリフォルニア大学バークレー校)。医療人類学、科学技術研究、東欧地域研究。処女作である本書は、医療人類学会で新世紀著作賞(2006年)、アメリカ民族学会でシャロン・ステファンズ最優秀賞(2003年)を受賞。著書としてほかに、When Experiments Travel: Clinical Trials and the Global Search for Human Subjects (2009)、共編著に、When People Come First: Critical Studies in Global Health (with Joao Biehl, 2013)、 Global Pharmaceuticals: Ethics, Markets (with Andrew Lakoff and Arthur Kleinman, 2006)がある。

内容説明

著者は、政府機関、病院、研究所のほか、被害を受けた家庭や「ゾーン」の労働者などに密着したフィールドワークを通じて、ポスト社会主義の混乱のなかで人びとが直面する現実を明らかにした。チェルノブイリが形作った新国家ウクライナのありようだけでなく、放射線被害が、市民や地域の変容、また国際的な政治的・経済的かけひきの契機となっている現状を鮮やかに捉えた、災害研究の必読書であり、医療人類学、医療社会学、生命倫理の議論においても注目される。本書の問題提起は、とりわけ311以降の日本に鋭く迫る。

目次

第1章 チェルノブイリ後の生政治
第2章 専門家の過ち―生命とリスクの見積もり
第3章 歴史の中のチェルノブイリ
第4章 仕事としての病い―人間市場への移行
第5章 生物学的市民権
第6章 現地の科学と生体的プロセス
第7章 自己アイデンティティと社会的アイデンティティの変化
第8章 結論

著者等紹介

ペトリーナ,アドリアナ[ペトリーナ,アドリアナ] [Petryna,Adriana]
ペンシルベニア大学人類学教授。PhD(カリフォルニア大学バークレー校)。医療人類学、科学技術研究、東欧地域研究。処女作である『曝された生―チェルノブイリ後の生物学的市民』は、医療人類学会で新世紀著作賞(2006年)、アメリカ民族学会でシャロン・ステファンズ最優秀賞(2003年)を受賞

粥川準二[カユカワジュンジ]
1969年生まれ。愛知県出身。ライター・編集者・翻訳者。「ジャーナリスト」と呼ばれることもある。国士舘大学、明治学院大学、日本大学非常勤講師。博士(社会学)

森本麻衣子[モリモトマイコ]
1977年生まれ。東京大学法学部卒業。カリフォルニア大学バークレー校文化人類学博士課程在籍。東アジアにおける歴史と記憶、暴力とトラウマ、革命の言説とその終焉などに関心をもつ

若松文貴[ワカマツフミタカ]
1978年生まれ。ハーヴァード大学大学院博士課程修了。PhD(人類学)。京都大学学術支援室リサーチ・アドミニストレーター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

25
2003年初出。本書は、型にはまった補償制度の下、生存者の病気や生命が生物学的市民権の枠組みに当てはまる、あるいは抜け落ちる様子を描く(16頁)。事故後25年でも作業員や避難者追跡の疫学調査は行われていないという(19頁)。この無責任な社会主義はなんだ? 生物学的市民権(1999年):生物学的損傷を認知、補償するための医学的、科学的、法的基準に基づいて遂行される社会福祉の一形態に対する巨大な要求。選別的アクセス(37頁)。ウクライナ人が貧困化させられた住民が、生きるか死ぬかの根源局面において、2016/06/15

Mc6ρ助

4
この本を読んだ感想がこれでは申し訳ないが、健康と、病、障害が医学的要因だけではなく実は社会的、政治的にも定義されるものだったとは。『生命倫理への原則的アプローチ・・それが還元主義的であり多元主義社会の倫理問題やジレンマに広く適用可能であるがゆえに機能する・・こうした標準化によって犠牲になるもの・・挑戦しなければならないのは・・「人間の価値がいまだ決定されていない」文脈を語るにふさわしい言語を回復する試みである。・・そこでは、正義原則、恩恵/善行原則、無危害原則の可能性が日常の中で崩壊している。(p56)』2016/06/18

Mealla0v0

0
本書は、チェルノブイリ原発事故についてのエスノグラフィであり、それを生政治の側面から考察した学術書である。ウクライナはソ連から独立する正当性として、被災した被曝人口の統治として「ヒューマニズム」を採用した。その結果、単に被災者である以上に「障害者」であることで手厚く保護されるようになったのだが、それはリスクを抱え込むことが生きるための資源と化したことを意味した。未曽有の災害に当たり、チェルノブイリは生政治の実験場であり住民は被験者であることを――すなわち、生物学的市民であることを宿命づけられたのである。2017/07/27

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