出版社内容情報
経済危機を乗り越えるための社会主義革命の理想が、妥協を強いられた「非常期間」のつづくキューバで、理想と現実の間で板挟みになった人びとが自らの人生を生き抜く希望をどう見出しているのかを、ドキュメンタリー制作を含む親密な関係における語りの中から追及する。
【著者紹介】
大阪大学人間科学研究科グローバル人間学専攻助教。専攻は、文化人類学(特に、キューバ、移民研究)共著に『ポスト・ユートピアの人類学』(人文書院、2008年)、『コンフリクトから問う-その方法論的検討』(大阪大学出版会、2012年)。自身が監督、撮影したドキュメンタリー映画『キューバ・センチメンタル Cuba Sentimental』(2010年、ゆふいん文化・記録映画祭第四回松川賞受賞)などがある。
内容説明
世界の希望であった革命キューバ―社会主義革命の理想と現実を、「普通の人びと」はどう受けとめてきたのか。現地で暮らした人類学者が描く、等身大のキューバの姿。
目次
第1章 「新しい人間」をつくる―フィデルとチェの理想と現実
第2章 同志たちの愛と友情―創設フィクションしてのキューバ革命
第3章 平和時の非常期間―ソ連なきあとの非常な日常
第4章 ポスト・ユートピアのアイロニー
第5章 ディアスポラとしての「新しい人間」―『キューバ・センチメンタル』とその後
第6章 アイロニカルな希望
著者等紹介
田沼幸子[タヌマサチコ]
1972年生まれ。国際基督教大学教養学部社会学科在学中、カリフォルニア大学サンディエゴ校への交換留学がきっかけで文化人類学者を志す。2004年、大阪大学大学院人間科学研究科単位取得退学。人間科学博士(大阪大学)。2012年より、大阪大学大学院人間科学研究科グローバル人間学専攻助教。映像作品に、『キューバ・センチメンタルCoba Sentimental』(2010年、60分。ゆふいん文化・記録映画祭第四回松川賞受賞、山形国際ドキュメンタリー映画祭、ケベック国際民族誌映画祭、ゲッティンゲン国際民族誌映画祭、ハバナ若手映画祭にて入選上映)がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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