出版社内容情報
宗教は「家父長制の道具」なのか。抑圧された女性を救う力となるのか。画期的論考。叢書文化研究4。,,,
内容説明
現在、宗教とフェミニズムが交錯する場は複雑に入り組んでいる。この複雑な語りの交差するところにこそ、現代女性の自己再生への可能性がある。宗教は「家父長制の道具」なのか。抑圧された女性を救う力となるのか。
目次
第1章 混在するめぐみのトリロジーへ(差異のポリティクス;戦術としての「主人の道具」 ほか)
第2章 フェミニスト・エスノグラフィー―「女性の経験」をいかに語るか(リサーチ・プロセス;エスノグラフィーを書くこと ほか)
第3章 仏教界の女性運動―実践としてのフェミニスト・エスノグラフィー(二重のポジション;二つの言説 ほか)
第4章 ジェンダー・エスニシティ・宗教―日系アメリカ人女性のアイデンティティ交渉(フェニスト神学のなかの差異;「主人の道具」を流用して ほか)
著者等紹介
川橋範子[カワハシノリコ]
1960年東京都生まれ。プリンストン大学大学院博士課程修了(宗教学)。Ph.D.を取得。現在名古屋工業大学大学院助教授。専門は宗教学
黒木雅子[クロキマサコ]
1951年神戸市生まれ。カリフォルニア州立大学ヘイワード校修士課程修了(社会学)、パシフィック宗教大学院修士課程修了(宗教と社会)。現在京都学園大学人間文化学部教授。専門は社会学、女性学、宗教と社会
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感想・レビュー
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ネギっ子gen
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【宗教は「一方では女性を排除し、他方では取り込もうとする」と言われるように、様々な宗教が女性に対して二面性を示す】宗教は「家父長制の道具」なのか。2004年刊。巻末に、註・主要人物索引・主要事項索引・参考文献。<フェミニズムは宗教を批判するのみではなく、宗教を再生させることも可能にする。さらに宗教がフェミニズムに向かって新たなチャレンジを投げかけることもある。もしそうであるならば、宗教とフェミニズムが交差する場は複雑に入り組んでいて、そこにおける女性の経験を語るためには複合的な視座が必要とされる>と――⇒2024/07/08