出版社内容情報
海の視点から幕末を捉える
黒船来航から動乱が始まった幕末日本にとって、海防は喫緊の課題であった。一方で、西洋諸国にとって日本の海は未知の危険な領域であり、航海のための測量と海図の作製が急がれた。そうした海防と測量の駆け引きに、攘夷と開国に揺れる国内の動乱が加わり、政局は目まぐるしく変化する--。海の攻防をめぐり複雑かつ激しく揺れ動いた政治過程を、おもに大阪湾を舞台に海の視点から描き出し、新たな幕末史像を提示する画期作。
「外国船による測量と、日本側の海防とが、どのような衝突を生み出し、またその衝突は幕末日本の政治や外交、社会にどのような影響を与えたのであろうか。繰り返しになるが、本書は「つなげる」と「防ぐ」の両側面から、欧米諸国と日本との外交交渉や、日本国内の動向をたどり、新たな幕末史像を提示することを試みる。」(本書より)
〇目次
序章 海国日本の開国
第Ⅰ部 接続される海
第一章 東アジア海域の変容とイギリスの日本近海測量
第二章 アメリカ合衆国による測量事業と日本の開港
第三章 イギリス測量艦隊の日本近海測量と幕府外交
第四章 接続/遮断される瀬戸内海~大阪湾
第Ⅱ部 防衛される海
第五章 朝幕関係の変容と大阪湾防備
第六章 摂海防備と文久・元治期の政局
第七章 幕府の大阪湾防備政策と堺台場
第八章 海から見る天保山台場
終章 測量と海防の幕末史
あとがき
初出一覧
人名索引
【目次】
序章 海国日本の開国
一 林子平が鳴らした警鐘
二 海から歴史を見るということ
三 測量と海防から見る幕末史
四 先行研究の到達点と課題
五 本書の構成
第Ⅰ部 接続される海
第一章 東アジア海域の変容とイギリスの日本近海測量
はじめに
一 日本近海の測量をめぐる研究史と課題
二 欧米諸国による太平洋探検と日本列島
三 東アジア海域の変容とイギリス測量艦サマラン号
(1)サマラン号の長崎来航
(2)幕府による測量禁止令とサマラン号
四 イギリス艦マリナー号の来航と打払令復活評議
小括
第二章 アメリカ合衆国による測量事業と日本の開港
はじめに
一 ペリー艦隊による測量事業
二 北太平洋測量艦隊の測量事業と日本
(1)国家的事業としてのアメリカ北太平洋測量艦隊
(2)北太平洋測量艦隊による日本近海測量
(3)測量艦隊の事業の完了と残された課題
三 フェニモア・クーパー号の測量事業と日本列島
(1)フェニモア・クーパー号の二度目の来日
(2)ブルックの測量活動
小括
第三章 イギリス測量艦隊の日本近海測量と幕府外交
はじめに
一 イギリス測量艦隊の派遣とその目的
(1)クリミア戦争と東アジア海域の測量
(2)イギリス測量艦隊と東アジア情勢
二 イギリス測量艦隊による日本沿岸測量
(1)イギリス測量艦隊の再来日と幕府への測量要求
(2)イギリス測量艦隊による神奈川~長崎の測量
三 測量をめぐる対応の変化-対外的な「衝突」から国内の「衝突」へ
(1)「御国禁」という原則の変化
(2)国内的な「衝突」の回避
小括
第四章 接続/遮断される瀬戸内海~大阪湾
はじめに
一 接続される九州と瀬戸内海
(1)カッテンディーケが見た幕末の九州、および日本
(2)接続される瀬戸内海
二 報復措置の焦点となる瀬戸内海
(1)瀬戸内海封鎖の可能性
(2)日本における攘夷実行と欧米諸



