内容説明
あの有名な宣教医ヘボンが大きな足跡を残した明治の初め、彼と同じミッションに属する女性宣教師たちもまた、〈未開の極東〉の地に福音の種子を蒔くべく努力していた。西洋式医療や医学教育が徐徐に展開していく時代に、看護婦養成の必要性を説きその教育専門学校の実現に向けて情熱を傾けた人々。その一人マリア・T・ツルーを中心に、本国ミッションとの確執にみちた夥しい書簡資料を駆使して〈女たちの約束〉のゆくえを丹念に追った近代看護史の労作。
目次
新栄女学校から桜井女学校へ
女子教育をめぐる宣教師たちの会議
看護婦学校設立への胎動
もう一つの看護教育と連合医学校構想
確執に揺れるミッション内部
看護婦学校誕生
歩み出した日本の看護教育
試練のおとずれ
看護婦学校受難
キリスト教排斥気運の高まり
看護婦学校存続への努力
ミッションからの離脱
約束のとき
衛生園その後と女たち