出版社内容情報
イタリア料理は「政治」と「空腹」がつくった?
アメリカへ渡った移民の存在と二つの大戦、そして戦後の消費文化が食に及ぼした影響を辿ることで、「イタリア料理」成立の歴史が見えてくる。多様な史料をもとに複雑な食糧政策と庶民の反応を鮮やかに描く、食のイタリア現代史。
「「イタリア料理」、またひいては国民料理とはいかなるものなのかは、それ自体、論争の対象である。しかし、国民的な広がりをもって消費されていることは、そのひとつの重要な契機、指標と位置づけられよう。こうした要素に注目して「イタリア料理」を捉え直し、国や政府の介入に焦点を合わせた本書は、「イタリア料理」の歴史をめぐる議論に一石を投じるものといえる。」(訳者解説より)
目次
日本語版はしがき
謝辞
序 章
第一章 貧しさにいろどられた食生活と国家統一(1861~1914年)
第一節 社会問題としての食
第二節 移民のイタリア料理
第三節 国民料理へ向けて
第二章 第一次世界大戦と食の国家統制(1915~22年)
第一節 大戦初期の消極的介入
第二節 食糧供給の戦時体制
第三節 欲望の統一
第四節 食生活と政治の岐路
第三章 ファシズム料理(1922~35年)
第一節 ファシズム支配の確立
第二節 国民料理の誕生
第三節 合意の料理
第四章 軍国社会と節約料理(1935~45年)
第一節 エチオピア侵略
第二節 禁欲生活
第三節 第二次世界大戦
第四節 食と人口戦争
第五章 「経済の奇跡」と豊かさの挑戦(1945~60年)
第一節 戦後復興と食
第二節 大量消費社会の到来
第三節 イタリア料理の再定義
結論 欠乏料理
エピローグ
訳者解説
訳者あとがき
参考文献
註
索引
著者略歴
著・文・その他:キャロル・ヘルストスキー
【著者】キャロル・ヘルストスキー
Carol Helstosky/専門はイタリア現代史、イタリア料理の歴史。現在デンバー大学歴史学科准教授。主著にPizza: A Global History, Reaktion Books, 2008〔『ピザの歴史』(田口未和訳)原書房、2015年〕。編著にThe Routledge History of Food, Routledge, 2015.
翻訳:小田原 琳
【訳者】小田原 琳(おだわら・りん)
専門はイタリア史、ジェンダー史。現在、東京外国語大学大学院総合国際学研究院准教授。分担執筆に東京歴史科学研究会『歴史を学ぶ人々のために』(岩波書店、2017年)、武内信一・中山智香子編『ブラック・ライヴズ・マターから学ぶ--アメリカからグローバル世界へ』(東京外国語大学出版会)など。訳書にセバスティアン・コンラート『グローバル・ヒストリー――批判的歴史叙述のために』(岩波書店、2021年)、共訳書にヘイドン・ホワイト『メタヒストリー――19世紀ヨーロッパにおける歴史的想像力』(作品社、2017年)、シルヴィア・フェデリーチ『キャリバンと魔女』(以文社、2017年)など。
翻訳:秦泉寺 友紀
【訳者】秦泉寺 友紀(しんせんじ・ゆき)
専門はイタリア社会論、ナショナリズム・エスニシティの社会学。現在、和洋女子大学国際学部教授。分担執筆に北村暁夫・伊藤武(編著)『近代イタリアの歴史』(ミネルヴァ書房、2012年)、高橋進・村上義和(編著)『イタリアの歴史を知るための50章』(明石書店、2017年)、樽本英樹(編著)『排外主義の国際比較―先進諸国における外国人移民の実態』(ミネルヴァ書房、2018年)、赤川学・祐成保志(編著)『社会の解読力』(新曜社、2022年)など。
翻訳:山手 昌樹
【訳者】山手 昌樹(やまて・まさき)
専門はイタリア近現代史、イタリア鉄道史。現在、日本女子大学文学部学術研究員。共編著に土肥秀行・山手昌樹(編著)『教養のイタリア近現代史』(ミネルヴァ書房、2017年)、分担執筆に高橋進・村上義和(編著)『イタリアの歴史を知るための50章』(明石書店、2017年)、藤原辰史(編著)『歴史書の愉悦』(ナカニシヤ出版、2019年)、北村暁夫・田中ひかる(編著)『近代ヨーロッパと人の移動――植民地・労働・家族・強制』(山川出版社、2020年)など。
内容説明
アメリカへ渡った移民の存在と二つの大戦、そして戦後の消費文化が食に及ぼした影響をたどることで、「イタリア料理」成立の歴史が見えてくる。多様な史料をもとに複雑な食糧政策と庶民の反応を鮮やかに描く、食のイタリア現代史。
目次
第1章 食の貧困と国民統合(一八六一~一九一四年)
第2章 第一次世界大戦と食の国家統制(一九一五~二二年)
第3章 ファシズム料理(一九二二~三五年)
第4章 軍国社会の節約料理(一九三五~四五年)
第5章 「経済の奇跡」から豊かな世界へ(一九四五~六〇年)
結論 欠乏料理
著者等紹介
ヘルストスキー,キャロル[ヘルストスキー,キャロル] [Helstosky,Carol]
専門はイタリア現代史、イタリア料理の歴史。現在デンバー大学歴史学科准教授
小田原琳[オダワラリン]
専門はイタリア史、ジェンダー史。現在、東京外国語大学大学院総合国際学研究院准教授
秦泉寺友紀[シンセンジユキ]
専門はイタリア社会論、ナショナリズム・エスニシティの社会学。現在、和洋女子大学国際学部教授
山手昌樹[ヤマテマサキ]
専門はイタリア近現代史、イタリア鉄道史、ファシズム。現在、日本女子大学文学部学術研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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