内容説明
イスラエルが建国されパレスチナ難民が発生した1948年。閣内の多様な意見はいかにして収斂されていったのか?共存の選択肢はいかにして消えていったのか?一次史料であるイスラエル建国期の閣議議事録を紹介すると共に詳細に分析。激動の国際情勢を背景にイスラエル内閣、そして切り捨てられた少数意見に光を当てる実証的研究。イスラエル・パレスチナ紛争の原型が濃縮された七〇年前の政策論争の実態は―
目次
序論―「政治性」を排した紛争地政治研究の試み
第1章 建国前夜における統治権力確立過程とアラブ問題―一九四八年四月一八日~五月一三日(はじめに―イスラエル建国史研究における閣議議事録の意義;史料の構成・性格と背景 ほか)
第2章 イスラエル国家の性格及び諸制度をめぐる論争とアラブ問題―一九四八年五月一六日~五月三〇日(はじめに―危機の二週間における「権力」と国の理念をめぐる論争;史料の性格と背景 ほか)
第3章 第一次停戦受諾とイスラエル国境・アラブ難民帰還問題をめぐる論議―一九四八年六月一日~六月一六日(はじめに―第一次停戦とアラブ難民帰還阻止の方向性の明確化;史料の性格と背景 ほか)
第4章 ベルナドット和平提案とイスラエル国家の「主権」をめぐる論議―一九四八年六月三〇日~七月四日(はじめに―建国期イスラエル政治における「主権」概念の変容;史料の性格と背景 ほか)
著者等紹介
森まり子[モリマリコ]
跡見学園女子大学文学部教授。中東近現代史、政治思想史。東京大学教養学部卒、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。ハーバード大学中東研究所博士研究員、東京大学特任准教授を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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