内容説明
アリス・グリーンとメアリ・キングズリ「サロンの女主人」と「レディ・トラヴェラー」。彼女たちが共有した植民地経験のかなたに見えてくる、支配する側からではなく支配される側から逆照射された帝国の姿。埋もれ忘れられた膨大な史料を駆使して丹念に描いた、世紀転換期大英帝国研究の注目の成果。
目次
第1章 帝国再考―植民地経験を問う意味
第2章 ロンドンのサロン文化
第3章 インスピレーションとしてのメアリ・キングズリ
第4章 メアリ・キングズリを追悼する―アフリカ協会の設立とその変質
第5章 女たちの南アフリカ戦争
第6章 アイルランド国民の「創造」―アイルランド史を書き換える
結びに代えて―コモンウェルスへの道
著者等紹介
井野瀬久美恵[イノセクミエ]
1958年愛知県生まれ。京都大学文学部英文学科、西洋史学科(学士入学)卒業。京都大学大学院文学研究科(西洋史学専攻)博士課程単位取得退学。追手門学院大学文学部専任講師、甲南大学文学部助教授を経て、現在、甲南大学文学部教授。専攻はイギリス近現代史・大英帝国史
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