内容説明
イエス(キリスト)と皇帝ネロ(反・キリスト)。残虐非道の「第二のゴルゴタ」がキリスト教神話をかえって磐石のものにした、その歴史の逆説をアイロニカル、かつ想像力豊かに描く名著。
目次
ローマにおける囚人パウロ
ローマにおけるペテロ
ユダヤの教会、ヤコブの死
パウロ最後の活動
迫り来る危機
ローマの大火
ネロの美学―クリスチャンを殺せ
ペテロとパウロの死
危機の直後
ユダヤにおける革命
シリア、エジプトにおける虐殺
ガリラヤにおけるヴェスパシアヌス―恐怖のイエルサレム、キリスト教徒の脱出
ネロの死
災いと前兆
アジアの使途
黙示録
著書評価の推移
フラヴィウス家の即位
イエルサレム瓦解
イエルサレム壊滅の結果
著者等紹介
忽那錦吾[クツナキンゴ]
1932年、神戸生れ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マウリツィウス
15
【ヨハネ黙示録追憶】ヨハネ黙示録実在性を巡る問を根底まで否定しようとした《群衆》に対し可能だった唯一反駁は《黙示録講解》の再利用だった。アウグスティヌス以降アンセルムスすら不可能とされた講解記録再現化により《福音書/黙示録/書簡》一致性を保証可能成立、古典的位置を明確化した教父反駁手法を黙示論へ適合することでの読書態度はヨハネ一連文書を絶対な事実性へと変える。マルキオン系譜グノーシスからのエゴイズムはルナンにより看破され黙示録講解化により一貫性を追求可能とする啓示根拠が最悪の終末異形説を撤廃していく世界。2013/07/03