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イエスの生涯

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  • サイズ B6判/ページ数 316p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784409420201
  • NDC分類 192.8
  • Cコード C0016

内容説明

読み継がれる珠玉の名著。イエスはなぜ十字架にかけられたか。律法を越えて弱き者、貧しき者に愛と理想と神の国の思想を説いたイエスの生涯は、人間の心に永遠に訴えかける。60枚のデッサン・地図を付す。

目次

幼い頃から青年期まで
イエスの受けた教育
イエスを取りまく思想界
最初の訓言―“父なる神”
バプテスマのヨハネ
「神の国」というイデーの発達
カペナウムにおけるイエス
弟子たち
湖畔の説教
神の国は貧しい者のために〔ほか〕

著者等紹介

忽那錦吾[クツナキンゴ]
1932年生。神戸大学経営学部中退。仏国郵船会社、川崎重工勤務を経て日仏技術と画商を自営。「フランスを創った人々」「大乗と小乗の世界」を編集、「船荷証券論」を翻訳する
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

38
ここでは処女懐胎や湖上の歩行、カナの婚礼に十字架刑後の復活などの奇跡は描かれない。腐敗したユダヤ教の現実に憤った普通の青年が真の魂の天国を目指し、悩みつつ成長する姿を平明な文章で淡々と追う。そんなイエスをルナンは完全な理想主義者、革命家、アナーキストと呼ぶ。旧来の教義に固執するユダヤ教首脳が危険視し死へと追いやる姿は、不信心を理由に数え切れない人を殺してきた中世以来のカトリック教会に対する痛烈な批判となる。超自然的なものや組織や権力に頼らぬ純粋な宗教とは何か、クリスチャンなら本書を読んで考えるべきだろう。2021/01/09

shamrock

19
自分はカトリックではあるがさほど聖書を深く読んだわけでもなく、風上にも置けないような人間ではあるわけで。そんな俺が、この本によってキリストという存在を初めて実体感をもって認識することができた。多分、今までそこに行き着くチャンスはいくらでもあったんだろうが、自分がめぐりあって読むことを決めたこの本だからそこに落ち着けたんだろうな、などと思う。キリストの生涯と時代背景、当時の慣習などが一読でよくわかる名著。150年近く前の著作で、歴史的・神学的に現代の見解とは違う点も多かろうと言うことを前提に読むことが必要。2015/02/19

ラウリスタ~

11
1864年だったかの初版本を、1870年に普及版にしたものの訳だったかな。「人間イエス」を描き出す。奇跡や、神学論争といったことを、「彼の弱さ」として、洗礼者ヨハネに出会う以前に最も高い水準に達して、後は政治的な渦に巻き込まれていってしまうイエスを描き出す。「聖母」マリアは、完全に「運のいい偉人の親族」扱い。ベツレヘム生まれという、国勢調査云々は、ガリラヤの生まれだといろいろ都合が悪いからという後世の創作。ロバは当時、普通に便利な家畜(不名誉でもない?)。イエスを殺した「モーセの律法」とユダヤ人に罪を求む2018/02/03

ラウリスタ~

10
読んだことあるんかい!四年ぶりの再読だった。実証主義の時代には、もはや奇跡(水の上を歩く、水をワインに変える)を起こしたイエスというものは苦笑なしには受け入れられない、そんな不信心者を信仰へと連れ戻そうと、処女懐胎とかダビデ王からの系譜とか権威づけのために付加された要素を取り除き、詩的で優しい人間イエスの姿を打ち出していく。イエスはユダヤ教から出たというよりも、ユダヤ教を打ち壊すセクトだった(律法も知らない無知な田舎者で、エルサレムは常に彼の敵だった)。故郷ナザレでは信じられず、ガリラヤ湖のほとりで活動。2022/08/12

きゃんたか

10
ひたすら理想の実現に生きた人間イエス。富者よりは貧者、賢者よりは幼子、ユダヤ人ではなく神の子の内に精神の神殿を築こうとした理想主義者。にけにえ、祭司、律法を乗り越えて愛、慈悲、赦しをもたらした神の子、人の子、ダビデの子。時には寛容に、時には過激に。狭量で保守的な偽善者ファリサイ人を目の敵に、神の国の到来を告げる。神の国とは民主主義的野心であり、幻の成就であり、魂の救い。名誉よりも教義よりも人格で訴えた人間イエス。事業よりも利益を重んじたユダの裏切りによって、逆説的に永遠不朽の救いをもたらした。2015/11/15

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