出版社内容情報
ヒンドゥーや仏教の神々がいかなる変容を遂げながら日本のほとけとして定着していったか。全ての尊像について解説。
感想・レビュー
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in medio tutissimus ibis.
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今日日本の密教はインドでの発展段階においては中期密教とされるものであり、重視されなかった前期や伝来しなかった後期のそれについては知られていない。伝来したものについてもとその途中での変質がある。従って、インドに見出される密教の尊格は、我々が普段見聞きするものとは姿を、あるいは教理的な立ち位置さえ異にする。この図典は日印それぞれの尊格の姿を対比し、その生い立ちについて解説するものである。中には片方では全く知られていないものも多く、興味深い。まえがきにあたる総説には後期密教における尊格の観想法が概説されている。2018/10/30