出版社内容情報
性のアナーキスト、フロイトがここに
世界的に注目されている初版に基づく、はじめての日本語訳
1905年に発表された本書は、20世紀のセクシュアリティをめぐる議論に決定的な影響を与えた。そこには対象と無関係に働く性欲動のアナーキーな姿が予見されていた。しかし、その後の度重なる加筆により、性器を中心に欲動が統合され、当初のラディカルさは影をひそめる。本翻訳はその初版に基づく、はじめての試みである。ここによみがえるフロイトの分析は、現代の性議論にも大きなインパクトを与えるだろう。厳密な日本語訳に加え、改訂の軌跡を詳細に追った訳注、本書に登場する人名解説、新鋭研究者による解題、そして索引を付し、研究書の役割も備えた決定版。
「性生活における障害に関してなされたこれらの探究の結論は不満足なものであるが、そのような結論が示唆しているのは、われわれは、セクシュアリティの本質がそこに存する生物学上の事象について、充分に知っているとはとうてい言えず、その結果、われわれの個々の認識からは、正常性あるいは異常性というものを理解するのに充分な理論を構成することが出来ないということである。」(本書より)
内容説明
1905年に発表された本書は、20世紀のセクシュアリティをめぐる議論に決定的な影響を与えた。そこには対象と無関係に働く性欲動のアナーキーな姿が予見されていた。しかし、その後の度重なる加筆により、性器を中心に欲動が統合され、当初のラディカルさは影をひそめる。本翻訳はその初版に基づく、はじめての試みである。ここによみがえるフロイトの分析は、現代の性議論にも大きなインパクトを与えるだろう。厳密な日本語訳に加え、改訂の軌跡を詳細に追った訳注、本書に登場する人名解説、新鋭研究者による解題、そして索引を付し、研究書の役割も備えた決定版。
目次
第一論文 性の逸脱(性対象に関する偏倚;性目標に関する偏倚;すべての目標倒錯について一般的に言えること;神経症患者の性欲動)
第二論文 小児のセクシュアリティ(子ども時代の性の潜在期とその突破;小児のセクシュアリティの表出;小児のセクシュアリティにおける性目標;マスターベーションによる性の表出;小児のセクシュアリティの源泉)
第三論文 思春期における改変(性器域の優位と前駆的な快;性の興奮の問題;男と女の区別;対象の発見)
付録―第二版以降の序文と追加箇所
著者等紹介
光末紀子[ミツスエノリコ]
1940年大連市生まれ。京都大学大学院文学研究科修士課程修了。神戸大学名誉教授。専門分野:ドイツ近現代詩、ヨーロッパ文化論、ジェンダー論
石崎美侑[イシザキミュウ]
1999年生。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程(日本学術振興会特別研究員DC1)。修士(人間・環境学)、精神分析史
松本卓也[マツモトタクヤ]
1983年生。京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。博士(医学)、精神病理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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