後期ラカン入門―ラカン的主体について

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  • サイズ A5判/ページ数 313p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784409340479
  • NDC分類 146.1
  • Cコード C3011

内容説明

“他者”、主体、対象a、性的関係、四つのディスクールなど、精神分析家ジャック・ラカン(1901‐1981)の後期思想における主要な概念を、一貫した展望のもとに明晰に、そして臨床からの視点を手放さず解説。巻末には「『盗まれた手紙』についてのセミネール」を詳細に読み解いた二つの補論を付す、充実の一書。

目次

第1部 構造:疎外と他者(言語と他者性;無意識の思考の性質、あるいは“他の”半分はいかに「思考する」のか;言葉の創造的機能:象徴的なものと現実的なもの)
第2部 ラカン的主体(ラカン的主体;主体と“他者”の欲望;隠喩と主体性のせき立て)
第3部 ラカン的対象:愛、欲望、享楽(対象(a):欲望の原因
性的関係なるものはない)
第4部 精神分析的ディスクールの地位(四つのディスクール;精神分析と科学)

著者等紹介

フィンク,ブルース[フィンク,ブルース] [Fink,Bruce]
現在、デュケイン大学心理学部教授

村上靖彦[ムラカミヤスヒコ]
1970年東京都生。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程満期退学。基礎精神病理学・精神分析学博士(パリ第7大学)。現在、大阪大学大学院人間科学研究科准教授

小倉拓也[オグラタクヤ]
1985年大阪府生。現在、大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程

塩飽耕規[シワクコウキ]
1981年広島県生。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。現在、遊心会にじクリニック非常勤職員

渋谷亮[シブヤリョウ]
1979年福岡県生。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。現在、大阪教育大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

てれまこし

7
ラカンという名は政治学でも度々お目にかかる。院生時代に調べてみたが、ワケワカ系の文章で歯が立たなかった。だが、こたびポピュリズム研究で再び邂逅したので、こんな本を繙いてみた。話をしたり他人のやりとりを聞いたりすると、何か「ないもの」としてあるものの周囲をぐるぐるとまわってるという印象を受けることがある。その「ないはずのもの」を中心として組み立てられているが、そのものについては言及されない。しかもそれが単なる無知ではなくて、何らかの意志の働きによってそう選択されている。つまり無理解に何らかの主体性がある。2025/04/19

またの名

7
本書について議論する米国人のポッドキャストを聴いて気になっていたら、翻訳が出てた。単純化がおよそ不可能とされるラカン理論を他分野の概説教科書並みに理解できるレベルで提示しながらも、過度の単純化で逆に神秘的になるようなこともない。特に『盗まれた~』で有名な謎の記号化(++-+--+←こんなやつ)の論理と意味を丹念に解凍していく手つきは見事。現代思想のスピノザ主義がよく言われるけど、デカルト的でない主体と主体性を思考したのがラカンであることは見逃せない(本書の原題はThe Lacanian Subject)。2014/03/22

かがみ

1
フィンクらしい明晰な文体。疎外、分離、対象 a 、根源的幻想の横断、性別化の論理式、他の享楽、四つのディスクールなど、中〜後期ラカンの重要概念を詳説している。サントームについて触れていないのが残念。同じ著者のラカン派精神分析入門くらいは読んでおかないと理解は厳しい。ちなみに訳者解説が大変わかりやすい。そして熱い。たぶん最初に読んだ方がいい。2017/05/15

はるしにゃん

1
とても良い本。性関係が存在しない。欲望の構造。性別化の定式。享楽の種類。四つのディスクール。2015/02/28

ポカホンタス

1
ラカンの難しいところを、可能な限りわかりやすくしてくれている本。遠い存在だったラカンが身近に感じられるようにはなった。結局は臨床の知なので、通常の合理性がまかりとおる世界の中には絶対におさまらないこともよくわかった。2014/09/01

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