出版社内容情報
「こころなき脳科学」「治療構造なき心理学」。両極化を深める危機的状況にさらされた精神医学と臨床心理学の架橋を目指す
内容説明
薬物療法や脳の研究の飛躍的な進展を通じて一般医学化の傾向を強める精神医学、心理療法や心理査定に片寄りがちの臨床心理学、その相互離反がもたらす危機的状況に取り残されるクライエントたち―。第一線の精神科医と心理臨床士が豊富な臨床経験、具体的事例を通して、精神科医、臨床心理士、看護師、ケースワーカーなどメンタルヘルスに関わるあらゆる職種が身に付けておくべき共通言語を真摯に探った稀有の論集。
目次
第1部 臨床心理学が学ぶべき基本的課題(精神科臨床の多面性;「虎穴に入らずんば、虎子を得ず」;こころの蠢きの坩堝としての精神科臨床;カウンセラーとして言っておきたいこと;臨床心理学の原点としての臨床の現場)
第2部 臨床の現場から学ぶ臨床心理学の課題(精神科の患者さんから学ぶべき課題;精神病理学から学ぶべき課題;精神医療とそのスタッフから学ぶべき課題;臨床の現場から学ぶ臨床心理学的査定;臨床の現場から学ぶ臨床心理学的面接;臨床の現場から学ぶ精神分析的療法;臨床の現場から学ぶユング心理学的心理療法;臨床の現場から学ぶ心理臨床家としての「姿勢」;精神科臨床から学ぶ臨床心理士としての職業的専門性;精神科臨床で働くために必要な臨床現場での研修と訓練;臨床心理士養成大学院における精神科臨床実習の実際と問題)
著者等紹介
渡辺雄三[ワタナベユウゾウ]
1941年生まれ、名古屋大学工学部中退。佐藤神経科病院、松蔭病院心理臨床家(常勤)を経て、1987年より渡辺雄三分析心理室心理療法家。人間環境大学/大学院教授。臨床心理士
総田純次[ソウダジュンジ]
1960年生まれ。大阪大学医学部卒。大阪大学医学部付属病院精神神経科、国立大阪南病院精神神経科での研修医、レジデント医、大阪労災病院精神神経科勤務を経て、2001年より人間環境大学助教授、2003年から臨床心理士認定協会の指定大学院も担当、現在に至る。精神科医(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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