内容説明
臨場感に溢れ、ユングの夢分析の真髄に触れられる本。豊富な参考資料と示唆を駆使してある男性患者をどう治療したかを詳細に報告。
目次
冬学期
夏学期
著者等紹介
入江良平[イリエリョウヘイ]
1950年生まれ。現在、青森県立保健大学教授。専攻は心理学、とくにユング心理学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZUKI
9
夢は深いもので自分に関わる何かを示すもの。関係することを繋げて夢の内容に出てくる背景、登場する人物、もの、単語等とそれに自分に関わる複数の内容から本当の意味を多世界解釈を正しく行わなければいけない。(恋を例で→恋とは❓という質問で本当の恋と、友達程度の恋など、解釈するかによって恋という意味が全く変わってしまう。)解釈自体や本当の言葉の意味を間違えれば解決どころか訳がわからなくなり新たな問題を生んでしまう。しかも恋をしなければその意味すら分からない。いかに体験と自分を磨く事が大切だと思います2015/03/19
roughfractus02
7
夢は無意識のメッセージだが、患者の抑圧された願望の充足表現に留まらない。フロイトの夢判断は患者の願望を追求して過去に遡行するが、著者の夢分析は患者の問題解決に向けた未来へ向かう。患者は夢を記述し、分析医と対話する中で作動する意識と無意識の相互作用の一部となり、自身の夢の捉え方もその過程で変わっていく。分析医は、夢から印象連鎖の感覚記憶から短期記憶的パターンを取り出し、長期的な物語記憶に変えて、患者自身の現況と物語の目的を自覚させる。その際、類似した神話を用いて無意識を引き出す方法を著者は「拡充法」と呼ぶ。2021/06/14
シフ子
3
「影を否認するのは間違いです。もし影を否認すれば 集合的無意識からの反作用が 人格化という形で暗闇から立ち現れます。」P116「悪いことをした」という罪の意識は 罪を犯した当事者が意識と無意識を統合した人格になるためである。このことは どんな道徳的な教えや説教よりも 説得力がある。2006/11/19
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