出版社内容情報
すべての女性の尊厳と安全を守るために――さまざまな不正義が交差する現代社会にあらがう。
生殖と家族形成を取り巻く構造的抑圧から生まれたこの社会運動は、いかにして不平等を可視化し是正することができるのか。人種、階級、ジェンダー、国籍、障害、セクシュアリティが絡みあう現代社会の重要概念、その第一人者による待望の解説書。
監訳:申琪榮/高橋麻美
翻訳:林美子/新山惟乃/大室恵美/花岡奈央/ミーシャ・ケード
原著:Loretta J. Ross and Rickie Solinger, Reproductive Justice: An Introduction, University of California Press 2017.
◎目次
第1章 リプロダクティブ・ジャスティスの歴史
第2章 二一世紀のリプロダクティブ・ジャスティス
第3章 生殖能力を管理する
第4章 リプロダクティブ・ジャスティスと子育てする権利
おわりに――リプロダクティブ・ジャスティスの実践から
【目次】
はじめに
第1章 リプロダクティブ・ジャスティスの歴史
リプロダクティブ・ジャスティスと人権/北米の植民地化と国家の「人権化」/現代アメリカと性と生殖・再生産の「質」/第二次世界大戦後の権利、規制そして反動/新しい管理の戦略/リプロダクティブ・ジャスティスを定義する
第2章 二一世紀のリプロダクティブ・ジャスティス
なぜリプロダクティブ・ジャスティスが重要なのか/リプロダクティブ・ジャスティスの誕生と定義/交差性――差異は分断するか/人権vs米国の法制度/性と生殖・再生産に対する抑圧と人種/新自由主義と女性たちの日常における性と生殖・再生産/人口統制と白人至上主義/リプロダクティブ・ジャスティスを通じた運動の構築
第3章 生殖能力を管理する
選択の自由の限界/憲法の限界/ハイド修正条項の永続的影響/「管理のための目印」/移民を印づける/意図しない妊娠、その予測可能な結果/人々、コミュニティ、生殖能力――人権保障の要請
第4章 リプロダクティブ・ジャスティスと子育てする権利
リプロダクティブ・ジャスティスと犬笛(ドックホイッスル)の人種差別/性の市民権と母性の経済学/母であることは人権か/出産をめぐる不正義――強制的な医療/母性をめぐる人種的なポリティクス/トランス問題とリプロダクティブ・ジャスティス/リプロダクティブ・ジャスティス、養子縁組、そして里親制度/障害のある子どもとリプロダクティブ・ジャスティス/母親になることへの援助――いかなる代償を払っても親になる権利は保障されるべきなのか/生物学を越えて――リプロダクティブ・ジャスティスが交差する地点
おわりに――リプロダクティブ・ジャスティスの実践から
謝辞
監訳者解説
注
索引