内容説明
ローカルな取り組みから、ライシテの普遍主義を問う。フランス共和主義と政教分離の原則「ライシテ」とイスラームをめぐる現況を概観しつつ、国境の街ストラスブールにおける大モスクとムスリム公共墓地の建設、行政主導の「宗教間対話」等の具体的な事例を分析。政府による介入の緊張を孕みながらも、「ヨーロッパにおけるイスラーム」がどのように誕生し、いかにその場所に息づいているのか。混淆の現場から、新たなヨーロッパの息吹を活写する。
目次
はじめに ライシテVSイスラームの二項対立を超えて
第1部 理論的枠組みと背景(問い直されるライシテの普遍主義;ヨーロッパのムスリムをめぐる地理的想像力;フランスにおけるムスリムの現状;コンコルダ体制とストラスブールのムスリム)
第2部 事例研究と考察(ストラスブールの大モスクの建設;ストラスブールのムスリム公共墓地の建設;宗教間対話の取り組み;「辺境の街」からの示唆)
結び ストラスブールの実践が問いかけるもの
著者等紹介
佐藤香寿実[サトウカズミ]
1989年リヤド生まれ。東京で育つ。2017年9月、ストラスブール大学大学院修士課程修了(Master/人文社会科学)。2020年3月、お茶の水女子大学大学院博士後期課程修了(博士/社会科学)。2021年より芝浦工業大学建築学部建築学科特任講師。専門は人文地理学、フランス地域研究。フランスにおけるムスリムの社会的統合をめぐる現代的課題を扱う。論文に「フランス・アルザス地方の『コンコルダ的ライシテ』と非公認宗教としてのイスラーム」(『上智ヨーロッパ研究』第8号)、「『スケールのパフォーマティヴィティ』とストラスブールの大モスク建設―アクターの言説実践に着目して」(『人文地理』第71巻4号)等がある。第20回人文地理学会学会賞(論文部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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