内容説明
稼げない博物館は存在意義がないのか?民主主義の根幹でもある博物館、人類の貴重な財産でもある文化財。それがいま研究や歴史の蓄積が損なわれ、現場から悲鳴があがっている。手遅れになる前に博物館のあるべき未来を提言する。
目次
第1章 博物館・美術館のミライ―「文化財で稼ぐ」ことが国家戦略になった
第2章 歴史系博物館の可能性―地域の歴史や「負の歴史」と向き合う努力
第3章 学芸員の現在と未来―学芸員は大忙し!でも大事なことってなぁに?
第4章 地元の主婦による文化財住宅の立ち上げと運営―母さんが「学芸員」になった!
第5章 人を育てる史料館―時間をかけて人を育てる覚悟はありますか?
第6章 文化財と政治の近現代―復権する神話
著者等紹介
岩城卓二[イワキタクジ]
京都大学人文科学研究所教授。専門は日本近世史
高木博志[タカギヒロシ]
京都大学人文科学研究所教授。専門は日本近代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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浅香山三郎
14
文化財保護法の改定(改悪)で、文化財の観光戦略のなかでの「活用」が謳はれるやうになつた。文化財保護といふスタンスの、文化庁(といふか国)の仕事における立場は、肩身の狭いものになりつつある。新自由主義的政策が蔓延るなかで、それへの批判だけではなく、地域の歴史文化の庫としての役割や、市民との協働など、限られたなかで丁寧な実践をされてゐる事例も紹介される。博物館や美術館の現場を踏まへた論考が多く、学芸員課程の履修者にも読んで欲しいと思ふ。ミュージアムについての書籍を比較的多く出してゐる人文書院らしい本である。2020/06/02
SK
2
19*『今日、「活用」の美名のもとに、学問や文化財の商品化、観光化がすすんでいる』(P.159)ことへの危機感。2022/01/17
takao
0
ふむ2025/05/07
ぴよぴよーーーーー
0
文化財が観光・地方創生のためのネタとなってしまっている現在の状況(法改正もあり)を憂い、博物館や学芸員の拡充に十分な予算が充てられていない+適切な人員供給がなされていない現状を解く。リアルがわかる本でした。2020/10/08
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