出版社内容情報
民主主義、自治、文化、マイノリティなどの社会の新たな争点をEUの東欧拡大も視野にいれたヨーロッパの事情に即して「地域」の視点から検証する。
内容説明
国民国家を分析の重要な参照枠としつつ、東欧も含むヨーロッパ諸社会の「地域」の組織化に見られる新たな特徴を、文化・社会・政治の諸観点から分析する。
目次
序章 ヨーロッパにおける地域の創出、再編と地域問題のゆくえ
1 理論的接近(グローバル化する社会における主体としての「地域」;「領域性(territoriality)」概念の再検討―近代国民国家の変容と連邦主義的改革の中で)
2 国民国家への問題提起(フランス共和制の変容―地方分権改革、地域民主主義・近隣民主主義立法の意味するもの;自治州国家スペインにおける「歴史的諸法」―地域自治に対する歴史的独自性の射程;橋はまた架かるか―紛争後ボスニアの分裂と再建)
3 アイデンティティの境界(新しい場所と土地の記憶―イングランドにおける国内移住者と土地との結びつき;シティズンシップとマイノリティ―エストニアのロシア語系住民の法的地位と帰属意識;北アイルランドにおけるコミュニティの重層化と多様化)
4 地域の再編と創出(ケルト語圏における地域的言語文化の振興;ユーロリージョンの「限界」―ポーランド西部国境領域を事例として;越境労働と国民国家―アルザス地域の「フロンタリエ」から見たEU統合問題;ローカルガバナンスの台頭と調整―イギリスにおける都市部の再生戦略)
著者等紹介
宮島喬[ミヤジマタカシ]
1940年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程中退。法政大学大学院社会学研究科教授
若松邦弘[ワカマツクニヒロ]
1966年生まれ。ウォーリック大学大学院博士課程修了(政治学博士)。東京外国語大学外国語学部准教授
小森宏美[コモリヒロミ]
1969年生まれ。2000年3月早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。現在、京都大学地域研究統合情報センター助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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