出版社内容情報
「移動」を中心概念として、近代から現代にかけての日本人の海外労働・生活体験を再評価する。「日系人」から「越境日本人」へ、グローバル化時代の日本研究
内容説明
明治以来、官約移民、契約移民、自由渡航、呼び寄せ、殖民や海外赴任にいたるまで、さまざまなかたちで国境を越えた日本人たち。こうした海外渡航者や移住者たちを、異質化、特殊化することなく、移動する彼らの主体性に注目する。従来の「日系人」・移民・拓殖民研究を超えるための、社会学、地理学、歴史学からの総合的アプローチ。
目次
環太平洋地域における日本人の移動性を再発見する
1 移動とエスニシティ(二つのジャパニーズ―移動とエスニシティの現代社会論に向けて;選択的・戦略的エスニシティ―和太鼓と北米日系人コミュニティの再創造/再想像)
2 移動の焦点としてのハワイ(ハワイ日系二世のアイデンティティと政治参加―一九二〇年代から一九三〇年代の指導者たち;ハワイ日系コミュニティにおける日本映画の経験 ほか)
3 漁業と漁民の国際移動(カナダ・バンクーバー島西岸への日本人漁業者の二次移住―クレヨコット・トフィーノ・バムフィールドを中心に;漁業移民の社会的関係性―一九三〇年代アメリカ・メキシコ国境海域の漁業活動から)
4 朝鮮と日本人の移動(朝鮮における日本人農業移民―東洋拓殖と不二農村の事例を中心として;植民地朝鮮へ渡った軍需缶詰工場―竹中缶詰製造所の資料から ほか)
著者等紹介
米山裕[ヨネヤマヒロシ]
1959年生。カリフォルニア大学ロサンゼルス校歴史学部博士課程論文提出資格取得。文学修士。立命館大学文学部教授。専門はアメリカ史、日系移民史。戦前の日本人移民社会について関心がある
河原典史[カワハラノリフミ]
1963年生。立命館大学文学研究科地理学専攻博士後期課程単位取得退学。文学修士。立命館大学文学部助教授。専門は歴史地理学。近代日本と朝鮮・台湾・カナダへの漁業者の移動について関心がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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