出版社内容情報
教育をめぐる公正、選択、質をめぐる葛藤はどのように解決されるべきなのか。政治と深く関連する教育問題解決の可能性をさぐる。
内容説明
教育における価値の配分、その過程など「誰が何をいつどのように手に入れるのか」についての研究は益々重要性を増している。教育を手に入れたくても入れられなかった下位貧困階層の人々、人種・民族あるいはジェンダーにおけるマイノリティである人々の教育上の不利益をどのように改善するのか。いかなる教育政治の構造や機能がこういった人々を疎外してきたのか。本書では深刻な都市教育問題を抱えながらも、地味ではあるが、試行錯誤を繰り返し、今日では教育改革の先進都市としての名をほしいままにしている都市シカゴをとりあげ、20世紀のアメリカ都市教育統治改革の歴史を明らかにし、そこにおけるシビック・キャパシティー論の有効性を検証する。
目次
序章
第1部 都市教育政治の歴史(革新主義期教育政治研究の動向と課題―1980年代半ばまでの研究を中心として;革新主義期教育政治研究の動向と課題―1980年代半ば以降の研究を中心として;教育統治改革をめぐる政治過程―革新主義期のシカゴを事例として)
第2部 都市教育の課題と改革の理論(社会変動と都市教育の課題;都市教育改革の理論)
第3部 シカゴ教育統治改革の動態(1980年半ばのシカゴの学校と教育行政;学校改革の理論とシカゴ学校改革法(1988年)
学校改革修正法(1995年)と教育統治改革)
アメリカ都市教育政治研究の意義
著者等紹介
小松茂久[コマツシゲヒサ]
1953年、東京都生まれ。1979年、立命館大学法学部卒業。1987年、大阪大学大学院人間科学研究科博士課程満期退学。1988年、大阪大学人間科学部助手。1989年、神戸常盤短期大学専任講師。1991年、相愛大学人文学部助教授。1996年、米国北イリノイ大学客員研究員(1年間)。1999年、相愛大学人文学部教授。2004年より神戸学院大学人文学部教授。2006年、博士(学術)の学位取得(神戸大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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